「LeftHandより3倍高速との報告も」

デル、EqualLogicの優位性をアピール

2009/08/24

 デルは8月24日、同社のスケールアウトiSCSIストレージ「Dell EqualLogic」シリーズについて説明した。日本ヒューレット・パッカードが競合製品「LeftHand P4000 SANソリューション」を国内市場に投入したことを受けたもの。

 米デルのデルストレージ シニアマネージャでEqualLogic製品マーケティングの責任者、トラヴィス・ヴィジル(Travis Vigil)氏は、サーバ仮想化の進展とともに、iSCSIストレージの採用が加速していくだろうと話した。同氏は、「中規模企業の70%2015年までに全サーバの仮想化を計画している」というガートナーの調査結果と、「サーバ仮想化の早期導入者の69%がiSCSIを使用している」というEnterprise Storage Group(ESG)の調査結果をその証左として示した。

dell01.jpg 米デルのデルストレージ シニアマネージャ、トラヴィス・ヴィジル氏

 特にEqualLogicのようなスケールアウトiSCSIストレージは、従来型のファイバチャネル/iSCSIストレージに比べ、管理コスト削減と柔軟性向上の点で優れているとヴィジル氏は指摘する。例えばEqualLogicでは、事実上ネットワークに新たなストレージノードを追加し、既存ストレージと同一のグループに参加させる設定をするだけで、容量拡張とパフォーマンス向上が同時に、稼働を止めることなく実現できる。全体的にユーザー企業の担当者が自ら操作できるレベルの使いやすさを実現しているため、保守費用も大きく減らせる。

 スケールアウトiSCSIストレージとして似通った点の多いHPのLeftHand P4000 SANとの最大の違いについて、ヴィジル氏は同一ストレージグループを構成するストレージノードが、同一の機種、同一のRAID構成である必要がない点を挙げた。「EqualLogicでは、7世代にわたる機種すべてを組み合わせることができる」(ヴィジル氏)。

 また、LeftHandは1ノードに1つのコントローラだが、EqualLogicでは2つのコントローラを持つことでノード単位での冗長性を確保している点を指摘。LeftHandが「ネットワークRAID」という複数筐(きょう)体にまたがるRAID構築機能を備えている点についても、同機能がないとEqualLogicに匹敵する耐障害性が確保できないからだと話した。

 EqualLogicは10Gbpsインターフェイスのサポートが遅いとHPが指摘した点(EqualLogicは2009年中に10Gbpsインターフェイス対応を行う予定)についても、「ストレージのパフォーマンスは、必ずしもインターフェイスのスピードに左右されない」(ヴィジル氏)。EqualLogicの場合、各コントローラが複数のiSCSIポートを持ち、これらのポートにトラフィックを分散させるなどにより、「ある顧客はLeftHandに比べIOPSで3倍のパフォーマンスが出たと報告している」(ヴィジル氏)という。

EqualLogicでは、主要な仮想化技術との連携も特徴の1つだ。Auto-Snapshot Managerというツールを通じ、VMwareのvCenterからスナップショットを実行すると、自動的にEqualLogicによるスナップショットが連動する機能を実現。Hyper-V環境でもVolume Shadow Copyを利用して仮想マシンのスナップショットをEqualLogicによるスナップショット機能の活用で行うことができる。

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(@IT 三木泉)

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