ディスクの読み出しキャッシュとして利用
SSDでサーバを安価に高速化、アダプテック
2009/09/11
アダプテックジャパンは9月10日、RAIDディスクアレイをSSDで高速化できるキット、「Adaptec MaxIQ SSDキャッシュパフォーマンスキット」を発表した。
新製品はインテルからOEM供給を受けたSLC型2.5インチSATA SSD(32GB)と、キャッシュソフトウェアCDで構成されている。アダプテックの既存RAIDコントローラカードにディスクドライブを接続した既存のシステムを、そのまま透過的に高速化できる。
MaxIQ SSDキャッシュパフォーマンスキットを使うには、アダプテックの5Zシリーズ、5シリーズ、あるいは2シリーズのファームウェアを最新のものにアップグレードし、ディスクドライブを接続していない空きポートにキット付属のSSDを接続する。作業はこれだけだ(同キットでは特殊なキーでSSDを接続管理するため、一般的なSSDを代用することはできない)。
その後はRAIDディスクドライブ群から読み出されるデータが自動的にSSDにキャッシュされ、同一のデータへの2回目以降のアクセスについては、SSDから読み出されることで高速化する。なお、ディスクドライブへの書き込みについては、従来通りディスクドライブに対して直接に行われるため、高速化効果はない。SSDにキャッシュされたデータは永続的に保持されるため、万が一給電が途絶えた場合でも失われることはない。また、アプリケーションへの変更やチューニングは不要で、サーバのCPU処理能力を消費することもない。
新製品は小サイズデータのランダムリードで最大限の効果を発揮する。アダプテックジャパンによると、最大5倍のパフォーマンス向上が見込めるという。データアクセス高速化のために、一部ではRAIDシステムをフルにSSDで構築しようとする動きもあるが、現在のところこれを実現できるSSDはかなり限定される。実現できたとしてもコストは非常に大きくなる。今回の製品は、読み出しキャッシュ用途に限定してSSDを利用することで、コストを大きく増やすことなく高速化を図ることができる。
アダプテックは、同社のRAIDコントローラカードにデータ処理でさまざまな付加価値を提供する戦略を展開していく。「MaxIQ」というのはこの戦略に沿った製品機能の総称でもある。重複除外など、エンタープライズ・ストレージに見られる機能が今後順次提供されていく予定だ。重複除外などの機能には高いCPUパワーが要求されるが、同社が買収したAristos Logicの半導体技術を使った自社の次世代コントローラで、こうした処理を可能にしていく計画だ。
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