キャラクタデバイスのドライバもユーザー空間に
Linux 2.6.31がリリース、USB 3.0対応など
2009/09/11
Linuxカーネルの開発者コミュニティは9月9日、最新版のLinux 2.6.31をリリースした。新たにUSB 3.0をサポートしたほか、ユーザー空間でファイルシステムを実装できる「FUSE」(Filesystem in Userspace)を拡張する形で、キャラクタデバイスをユーザー空間で実装できる「CUSE」(Character devices in Userspace)を搭載。CUSEにより、例えば古いオーディオAPI「OSS」(Open Sound System)を、現行のALSAで行うOSSプロキシなどを提供できるという。
このほか、メモリ管理を改善。メモリ搭載量の小さなデスクトップ環境で、実行中のアプリケーションがページアウトしづらいよう改良を加えて、応答性を上げているという。また最近加わったカーネル・モード・セッティング(KMS)がATI Radeonにも対応。KMSを使うことで、それまでXサーバが初期化していたグラフィックチップをカーネルが設定できるようになり、起動時やユーザー切り替え時のちらつき防止、パニックメッセージのグラフィック画面への出力などが可能となる。
CPUレベルでの動作を計測するパフォーマンス・カウンタの搭載も、新バージョンで目を引く機能だ。モダンなプロセッサでは、正確な経過時間や実行命令、キャッシュミス、分岐予測の失敗などの有用な情報をハードウェアレベルで読み出す仕組みを搭載していて、Linux 2.6.31では、こうした機能の抽象レイヤを追加した形。x86やPowerPCなどに対応する。
既存ファイルシステム関連では、ext3/4で不要なスピンロックを取り除いたことでファイルのオープン/クローズなどが約3%高速化されたほか、次世代ファイルシステムのbtfs(バターファイルシステム)では、スナップショット数が増えたときのスケーラビリティの向上や、SSDの自動認識機能などを強化した。
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