AppLogicをベースにクラウド型ホスティングサービス提供

CPUやメモリを量り売り、エクシード

2009/09/16

 エクシードは9月16日、必要に応じて小刻みな単位でサーバリソースを提供するクラウド型ホスティングサービス「Libra」を発表した。9月21日からサービス利用に必要なアカウント登録受付を開始し、10月13日にサービスを開始する予定だ。

 Libraでは、同社が用意したサーバリソースプールを「CPU 0.2コア+メモリ512MB」というユニット単位で利用する。課金もこのユニット単位で行われ、例えば広告キャンペーンによるアクセス急増が予想される場合などに、必要な分、必要な期間だけ利用できる。同社システム技術部の末広美奈子氏はこの方法を「はかりにお肉やお魚を載せる代わりに、CPUやメモリといったリソースを載せて量り売りするようなもの」と表現している。

xceed01.jpg

 また「Webサーバ」「オンラインショッピングサイト」などの用途に合わせて、テンプレートを用意した。Linux OSのみの構成に加え、LAMP/LAPP構成、それぞれに負荷分散スイッチを組み合わせたものなど、当初7種類が提供される。同社のWebページ上で必要なユニット数とテンプレートを選択するだけで、従来は数日単位の時間がかかっていたサーバの構成、設定作業を5〜10分程度で終え、すぐに利用できることが特徴だ。サーバの起動や停止、リソース変更と再起動といった作業も、同じくWeb上から操作できる。

 同社代表取締役社長の鈴木義則氏は「ニーズに応じて、テンプレートはどんどん増やしていく。これを利用してデータセンター事業者やシステムインテグレータがビジネスを展開することも考えている」と述べた。また、MySQLやPostgreSQLといったミドルウェアだけでなく、グループウェアやCRMを搭載し、SaaSのプラットフォームとして事業者に展開することも検討しているという。

 Libraのサービス基盤には、米スリーテラ(3Tera)のグリッドソフトウェア「AppLogic」を採用している。高額な共有ストレージが不要なためコストパフォーマンスに優れること、スケールアウトだけでなくスケールアップにも対応できることなどを評価した。今後は、複数のグリッドにまたがる仮想サーバの連携を実現し、ディザスタリカバリに対応するほか、AppLogic以外の仮想化技術をサポートする計画だ。また基盤の部分は、将来的にGPLv3でオープンソースとして公開する方針という。

 Libraの利用料金は、最小構成の「Plain Small」が月額1万2000円から、ロードバランサを組み合わせた「LAMP Large」は同4万8000円からなど。いずれもそれを超える分については、日割りで後払いとなる。

関連リンク

(@IT 高橋睦美)

情報をお寄せください:

Linux & OSS フォーラム 新着記事

キャリアアップ

- PR -

注目のテーマ

- PR -
ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

広告業界の平均年収上昇率ランキングトップ10
国内540万社の企業情報を網羅した日本最大級のデータベース「SalesNow DB」が、上場企業...

ドミノ・ピザに学ぶ「必ず記憶に残る」ブランディング(無料eBook)
“たまたまピザを売っているEコマース企業”を名乗るドミノ・ピザの斜め上を行く発想はど...

Appleの新iPad Pro広告動画は「1984」で解放されたクリエイティビティーをディストピアに戻す暴挙
ピアノや彫刻などの芸術品を大型プレスで破壊する映像は、Apple史上稀有な失敗となった。