コア企業と周辺企業の買収で対象事業拡大
ストレージから情報インフラへ、EMCが業容拡大を説明
2009/09/25
企業向けストレージソリューションのベンダとしてスタートしたが、2005年からは“情報インフラの総合ベンダ”を目指している――。9月25日に都内で会見を開いたEMCジャパン 代表取締役社長の諸星俊男氏は、同社の立ち位置の変遷と、買収攻勢が続くここ数年の戦略について説明した。
ストレージベンダとして知られるEMCだが、「だんだんストレージだけではニーズに対応できなくなってきて、情報管理などソフトウェアを充実してきた」(諸星氏)。2003年に“ストレージと情報管理”を、2005年には“情報インフラ”の文字を自社ロゴに刻むようになっているという。
仮想化やセキュリティ、ドキュメント管理など、同社が事業を広げてきた領域は多岐にわたるが、その根幹にあるのは買収戦略と、毎年収益の10%を超える継続的な研究開発投資だという。「買収したら、その企業をバラバラにして名前すらなくしてしまうやり方も一般的。一方、EMCでは(特定市場で)コアとなる企業を買収して、その周囲でさらに企業を買収していくというやり方」(諸星氏)。
例えば仮想化ではVMwareをコアとして、Rainfinity、Acxiom、Akimbi、FastScaleと買収。セキュリティでは、買収から丸3年となるRSAセキュリティをコアとして、Authentica、Network Intelligence、Veridなど買収してきた。「特に現CEOになってから買収は加速していて、1998年以降に50社以上を買収」(諸星氏)しているという。サービス、リソース管理、可用性・アーカイブといった領域でも同様に多くの企業を買収しているほか、クラウドやコンシューマ市場向けでも、ここ2年ほどで個人情報管理のPiコーポレーションやクラウド型バックアップサービスのMozy、コンシューマ向けストレージデバイスのIomegaなど、事業拡大の布石となり得る買収を行っている。「従来は大企業を中心にデータが増えてきたが、今は個人利用でも増えている。写真もデジタル。家の中でも外付けストレージを持つ時代。そういうところもカバーするのがわれわれの使命ではないかと思っている」(諸星氏)。
3年前に買収したRSAセキュリティは、EMCのセキュリティ部門として活動している。「アジア・パシフィックではVMwareと並んで伸びている」(RSAセキュリティ 代表取締役社長 山野修氏)。RSAの主幹事業はSecurIDなど認証関連製品と暗号技術のライセンスだが、統合ログ管理アプライアンスのRSA enVisionも伸びているという。また今後は、「単にセキュリティだけではなく、潜在的なビジネス、オペレーションリスクを分析してコンサルティングを行うという事業を日本でも展開予定」(山野氏)という。
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
- Windows 10の導入、それはWindows as a Serviceの始まり (2017/7/27)
本連載では、これからWindows 10への移行を本格的に進めようとしている企業/IT管理者向けに、移行計画、展開、管理、企業向けの注目の機能について解説していきます。今回は、「サービスとしてのWindows(Windows as a Service:WaaS)」の理解を深めましょう - Windows 10への移行計画を早急に進めるべき理由 (2017/7/21)
本連載では、これからWindows 10への移行を本格的に進めようとしている企業/IT管理者に向け、移行計画、展開、管理、企業向けの注目の機能を解説していきます。第1回目は、「Windows 10に移行すべき理由」を説明します - Azure仮想マシンの最新v3シリーズは、Broadwell世代でHyper-Vのネストにも対応 (2017/7/20)
AzureのIaaSで、Azure仮想マシンの第三世代となるDv3およびEv3シリーズが利用可能になりました。また、新たにWindows Server 2016仮想マシンでは「入れ子構造の仮想化」がサポートされ、Hyper-V仮想マシンやHyper-Vコンテナの実行が可能になります - 【 New-ADUser 】コマンドレット――Active Directoryのユーザーアカウントを作成する (2017/7/19)
本連載は、Windows PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、「New-ADUser」コマンドレットです
|
|
キャリアアップ
- - PR -
転職/派遣情報を探す
「ITmedia マーケティング」新着記事
YouTube広告の実店舗売り上げへの貢献を計測 インテージが「Sales Impact Scope」を提供開始
インテージがYouTube出稿による小売店販売への広告効果を計測するサービスを提供開始した...
2025年のデジタル広告業界の展望 日本のマーケターの優先メディアと課題は?
IASは、2025年におけるデジタル広告業界の主要なトレンドについて掘り下げたレポート「Th...
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年1月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。