ネットワーク機器も仮想化

シトリックス、Xen上で動くアプリ配信最適化アプライアンス

2009/09/28

 シトリックス・システムズ・ジャパンは9月28日、Xen Hypervisor上で動作する仮想アプライアンス「NetScaler VPX」の販売を開始した。

 アプリケーション配信最適化製品「NetScaler」シリーズは、負荷分散/帯域制御に加え、キャッシュや圧縮、プロトコル最適化によるアプリケーション配信高速化、SSL VPNやアプリケーションファイアウォールなどのセキュリティ機能をひとまとめに提供する製品だ。同社はこれまでNetScalerを、ハードウェアアプライアンスの形で提供してきた。

 しかし「クラウドコンピューティングや『XaaS』と呼ばれるサービス形態が盛んになってくるのにともない、ハードウェアアプライアンスではそうした(仮想化された)実装形態に対応しきれなくなってきた。また、IntelやAMDといったベンダの取り組みもあり、ハイパーバイザのテクノロジが安定し、かつ性能が向上してきた」(同社ビジネスディベロップメント シニアマネージャー 村上慎一氏)ことから、仮想アプライアンスとしても提供することにしたという。「クラウドサービスではアプリケーションサーバが仮想化されるようになったが、アプリケーションデリバリコントローラなどのネットワーク機器は物理アプライアンスのままだった」(同氏)。

 NetScaler VPXは、NetScalerの機能をXenServer用のバーチャルアプライアンスイメージとして提供するもので、基本的に、ハードウェアアプライアンス版と同等の機能を提供する。パフォーマンスに応じて「VPX 10」「VPX 200」「VPX 1000」の3モデルがあり、提供する機能によっても「Standard」「Enterprise」「Platinum」という3つのエディションがあるため、合計9つのラインアップとなる。

citrix01.jpg NetScaler VPXでは、ハードウェアアプライアンスと同じ管理インターフェイスが提供される

 ハードウェアアプライアンスの場合は、サービス拡張に合わせて性能を増強したい場合でも、機器の調達やセットアップといった作業が必要となり、導入までに1週間程度の時間を要していた。しかし仮想アプライアンスとして提供することで、サービスの拡張に応じて迅速に実装できるようになるという。上位のPlatinum Editionでは、負荷の増大に応じて、動的にテンプレートから仮想マシンを呼び出すソフトウェアも合わせて提供される。

 1つのハイパーバイザ上で、ほかのWebアプリケーションと同時に稼働できることもメリットだ。また開発/テスト環境などでは、あらかじめいくつかテンプレートを用意しておくことにより、必要なときにいつでも環境を再現し、テストやバグ検証などに利用することができる。

 性能は搭載するサーバのハードウェアに依存するが、VPX 10ではレイヤ4-7およびSSLのスループットが10Mbps。XenServer 5 Update 3以降が動作するマシンに導入でき、バーチャルアプライアンス1台当たり、目安としてメモリ1GB、ディスク20GB程度が必要だ。価格は、VPX-10のStandard Editionで33万円からとなっている。

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(@IT 高橋睦美)

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