Oracle OpenWorldキーノートレポート
米オラクル、Fusion Applicationsを2010年に市場投入
2009/10/15
米オラクルのCEO ラリー・エリソン(Larry Ellison)氏は10月14日(米国時間)、Oracle OpenWorld 2009で、開発中の次世代アプリケーションスイート「Fusion Applications」の製品戦略を説明した。Fusion Applicationsは2010年の市場投入を目指す。
エリソン氏はまず、オラクルが持つ既存のE-Business Suiteやピープルソフト、JD Edwardsの製品などに対するサポートを継続し続けるとする「Application Unlimitedプログラム」について言及した。「これらの製品の顧客はいまもシステムに投資をしている。オラクルは今後10年、そしてそれ以降もこれらのアプリケーションを強化し続ける。これは絶対の約束だ」と述べ、既存製品の投資継続をアピールした。
Fusion Applicationsの設計思想は「スタンダードなミドルウェア」で「SaaSレディ」
その上で、オラクルは全く新しいラインとしてFusion Applicationsを開発している。エリソン氏はオラクルが数年間続けてきたプロジェクトであるFusion Applicationsの設計思想を語った。
Fusion Applicationsでは、自社が持つパッケージアプリケーションだけでなく、さまざまな既存製品と統合することができるという。SOAベースで作成され、クラウドでもオンプレミスでも利用可能なインプリメントが行われている。
実際の製品デモでは、「リーダー経験者」かつ「BIの知識を持つ」社員を、人事管理アプリケーションや組織情報、タレントマネジメントアプリケーションなどを統合した1つのダッシュボード上に表示し、担当の上司へチャットを行うまでの作業を、利用しているアプリケーションを意識せずに行えることが実演された。
Fusion Applications バージョン1の範囲として、一般会計や人事マネジメント、サプライチェーンマネジメントなどの7つの分野が含まれることも併せて発表された。総テーブル数5610、タスクフローの定義は1万を超える規模となるという。これらはOracle Fusion Middleware上に作られており、サードパーティのシステムでも統合できることが特長だ。
Fusion AppicationsはピープルソフトとJD Edwardsを買収した2005年、自社が持つアプリケーションスイート「Oracle E-Business Suite」と買収によって得られた各種製品を1つにまとめるものとして発表されたもの。その後発表されたApplication Unlimitedプログラムにて、現状の製品を使い続けることも可能している。
最新のOracle Enterprise Managerでプロアクティブなサポートを実現
キーノートでは運用管理ツールであるOracle Enterprise Manager(OEM)最新版についても発表が行われた。最新版のOEMではオラクルのサポートサービス「My Oracle Support」と連携が行えることが特長。
最新版のOEMでは、タブの1つとしてMy Oracle Supportが統合される。システムのバージョン情報やオラクル以外のアプリケーションの情報をオプトインにてオラクルに送信することで、推奨されるパッチのリストが表示され、問題が起きる前にオラクルのサポートから指摘を行うことができるという。このパッチ一覧にはダウンロードした人の数や、コミュニティが評価した結果なども表示される。日本でのリリース時期は現時点では未定。
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