IDC Japanが国内3939社対象に調査
OSS導入企業は17.1%、デスクトップ環境への導入機運も
2009/10/15
IDC Japanの調査によると、国内企業の17.1%がオープンソースソフトウェア(OSS)を導入しており、今後導入を検討している企業も25%に上ることが明らかになった。
IDC Japanでは2009年8月に、国内企業3939社を対象として「国内オープンソースソフトウェア利用実態調査」を実施した。この結果、すでにOSSを導入している企業は17.1%に上ったという。また、今後導入を検討していく企業は17.9%、具体的に検討している企業も7.1%あり、半数近くが何らかの形でOSS導入を視野に入れていることになる。
すでにOSSを導入している企業1088社を対象に、具体的にどのようなプロジェクトでOSSを導入しているか二次調査を行ったところ、最も多かったのは「Apacheを使用したWebサイトの開発」で23.5%で、「Linuxサーバの新規導入」(22.3%)、「OSSのメールサーバの導入」(19.1%)が続いた。主にWebサーバやメールサーバなど、フロントエンドでのOSS導入が進んでいることが伺える。
一方、これから導入を検討しているプロジェクトでは、「OSSのオフィスソフトウェアの導入」(20.5%)や「Linuxデスクトップの導入」(16.1%)など、デスクトップ環境へのOSS導入機運が高まりつつあることが見て取れる。また同時に、「OSSの業務アプリケーション(CRM、ERM、グループウェアなど)の導入」も17.0%と高い比率となった。
OSS導入の検討が広まっている背景には、2008年の金融危機をきっかけとした不況によりIT投資が削減された結果、OSSによるコスト削減効果が注目されていることが挙げられる。OSSのメリットとして最も多く挙げられたのは「導入コストを削減できる」で46.4%、続いて「運用コストを削減できる」(37.5%)だった。ただ同時に、「ソフトウェアの選択肢が広がる」「ベンダー依存から解放される」と回答した企業も少なくなく、OSSの採用によってITの自由度が高まることにメリットを見いだしているケースも増えている。
一方で、OSSのデメリットとしては「緊急時のサポート対応が迅速にできない」、「バージョンアップなど将来のプロダクトが見えない」といった点が挙げられており、サポートに対する不安やOSSの将来性が課題といえる。
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