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サーバ仮想化環境に多様な対応、アクロニスのバックアップ新製品

2009/11/11

 アクロニス・ジャパンは11月10日、企業向けバックアップ製品の最新バージョンを11月中に国内出荷開始すると発表した。新製品は「Acronis True Image」シリーズの後継だが、イメージバックアップを超えた統合バックアップ製品としての位置付けをより明確化する目的で、「Acronis Backup & Recovery 10」(以下、ABR10)と改称された。

 サーバ仮想化環境のバックアップに関する多様な選択肢の提供、物理・仮想環境の一貫したバックアップ管理、オプションでの重複除外機能の提供などが特徴。

 ABR10はサーバ用製品と、ワークステーション用製品に大別される。サーバ用製品は集中管理が可能な「Advanced 〜」製品群と、サーバ単体のバックアップ用の「Server for Windows」「Server for Windows」に分かれている。

 Advanced製品群はバックアップエージェント、ストレージノード(バックアップサーバ機能を実行するマシン)、管理サーバの3層構造で構成する。各ストレージノードは最大20のバックアップデータ保存先領域に対応し、各管理サーバは最大20のストレージノードを管理できる。各管理サーバが管理可能なバックアップ対象サーバは、約3000台まで開発元で動作確認済みという。

 サーバ仮想化への対応は、「Advanced Server Virtual Edition」で提供する。仮想マシンのバックアップは、多様な手法を利用して、ファイル、ボリューム、仮想ディスク、仮想マシン単位のバックアップができる。

acronis01.jpg サーバ仮想化対応を強化

 まず、物理サーバの場合と同様に、仮想マシンのOSにバックアップエージェントをインストールして動かすことによるバックアップが可能。この手法は仮想化プラットフォームに依存しないが、アクロニスではVMware ESX、Hyper-V、XenServer、Parallelsについて動作確認し、動作保証しているという。

 また、VMware ESX、Hyper-Vについては、仮想マシン単位のバックアップエージェントが不要なエージェントレス形式のバックアップも可能。VMware ESX環境では、Virtual Editionに含まれているバックアップ用仮想アプライアンス(仮想マシン形式のバックアップサーバモジュール)を動作させ、これを通じてほかの仮想マシンをバックアップする方式で実現している。また、VMware Consolidated Backup(VCB)によるVMware ESX環境の統合バックアップにも対応している。

 ABR10には、「Acronis Universal Restore」というオプションがある。これは物理サーバのバックアップデータに適用した場合には、バックアップ対象サーバとは構成の異なる別のサーバ機にシステムを復元できる機能を提供するもの。

 Virtual Editionにはこの機能が含まれており、物理サーバのバックアップイメージから仮想マシンイメージを作成する、あるいは逆に仮想マシンのバックアップイメージから物理マシンイメージを作成することが可能。

 「Advanced 〜」シリーズでは物理/仮想サーバを単一の管理画面にリストし、同列にバックアップポリシーを適用できる。バックアップ対象サーバをグループに分類し、グループ単位で同一のバックアップタスクを適用するなどができる。

acronis02.jpg 物理/仮想サーバをグループ化し、グループにポリシーを適用できる

 データ重複除外は「Advanced 〜」シリーズ全製品に適用できるオプション機能。イメージバックアップに対してはブロックレベルでの重複除外、ファイルベースのバックアップに対してはファイルレベルでの重複除外が行える。重複除外はCPU負荷が掛かるため、バックアップ対象サーバで行う代わりに、ストレージノード上で行うこともできるようになっている。

 ABR10製品群の価格は下図のとおり。ライセンスは物理ホスト単位となる。Virtual Editionではライセンス供与されたサーバ上で、最大99の仮想マシンを管理できる。

acronis03.jpg ABR製品群の価格

 販売は従来からの代理店であるラネクシー経由で行うほか、オンラインストアでの販売も準備中という。

(三木泉)

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