仮想化環境にバックアップ、障害時には直接起動
ノベル、“早い、簡単、安い”のディザスタリカバリ新製品
2009/12/16
玄人受けのする仮想/物理環境管理製品を次々に市場投入してきたノベルが12月15日、ディザスタリカバリ/バックアップ製品「PlateSpin Protect 8.1」を提供開始したと発表した。低価格、操作が簡単、エージェントが不要、待機マシンに直接バックアップ、物理マシンへのフェイルバックが可能など、ユニークな点の多い製品だ。
ノベルの営業本部 SEグループマネージャー、鈴木弘紀氏によると、これは仮想化を前提として作られたディザスタリカバリ/バックアップ製品だという。
ディザスタリカバリというと、最近の仮想化に対応した製品でも、本番マシンのデータをまずバックアップストレージに取得し、これを遠隔地のデータセンター側のバックアップストレージにストレージ間転送したものを使って復旧する方式が多い。しかしPlateSpin Protectは、稼働中の本番マシン(物理マシンでも仮想マシンでもいい)から待機マシンに直接転送する方式だ。より正確には、本番稼働している物理マシンあるいは仮想マシンのイメージを、遠隔地におけるVMware ESX/ESXi環境上の仮想マシンとして複製しておき、本番マシンの障害発生時にはこの複製された仮想マシンを立ち上げるだけでディザスタリカバリができる。
ストレージ間の転送でなく、マシン間の転送であるため、ディザスタリカバリ環境は柔軟に構成できる。例えば複数の拠点における複数の本番マシンを、単一の拠点の単一の仮想環境上にバックアップしておくことができる。
PlateSpin Protect 8.1は、仮想化環境の構築で多くのSI業者に使われている仮想/物理マシンイメージ変換/移行ツールの「PlateSpin Migrate 8.1」から、一部の機能を切り出した製品。メニューが日本語化されたPlateSpin Migrate 8.1は、2009年8月末に国内出荷が開始されている。
PlateSpin Protectは、PlateSpin Migrateに基づく製品であることの1つの証拠として、物理サーバへのフェイルバック機能を備えている。つまり、本番として稼働していた物理サーバで障害が発生し、遠隔地の仮想マシンを立ち上げてフェイルオーバした後、元の本番サーバの障害を修復すれば、今度は稼働中の仮想マシンのイメージデータをこの物理サーバに転送設定し、任意の時点で元の本番サーバに切り替えることが可能だ。元の本番サーバとは違う物理サーバへのフェイルバックもできる。
PlateSpin Protectは、差分データを圧縮し、非同期転送を行う。転送間隔は分単位から時間単位まで設定できる。32世代の管理が可能だ。ファイル単位の転送ができるほか、ブロック単位の転送もできる。VSS(Volume Shadow Copy Service)を使うので、Windows Server上のVSSアプリケーションを、稼働中に整合性のとれた形でバックアップできる。待機側の環境としては、VMware ESXの3、3.5、4およびESXiの3、4に対応する。ESXiが使えるので、待機側の仮想化環境は無償ということになる。また、待機側ではイメージデータを仮想マシンとしてバックアップしているだけなので、OSやソフトウェアのライセンスも不要だ。
PlateSpin Protect 8.1の参考価格はブロック転送機能なしバージョンが1〜74ライセンス、1年の標準メンテナンスサポート付きで約12万円、ブロック転送機能付きバージョンが1〜49ライセンス、1年の標準メンテナンスサポート付きで約23万円などだ。
関連リンク
情報をお寄せください:
- Windows 10の導入、それはWindows as a Serviceの始まり (2017/7/27)
本連載では、これからWindows 10への移行を本格的に進めようとしている企業/IT管理者向けに、移行計画、展開、管理、企業向けの注目の機能について解説していきます。今回は、「サービスとしてのWindows(Windows as a Service:WaaS)」の理解を深めましょう - Windows 10への移行計画を早急に進めるべき理由 (2017/7/21)
本連載では、これからWindows 10への移行を本格的に進めようとしている企業/IT管理者に向け、移行計画、展開、管理、企業向けの注目の機能を解説していきます。第1回目は、「Windows 10に移行すべき理由」を説明します - Azure仮想マシンの最新v3シリーズは、Broadwell世代でHyper-Vのネストにも対応 (2017/7/20)
AzureのIaaSで、Azure仮想マシンの第三世代となるDv3およびEv3シリーズが利用可能になりました。また、新たにWindows Server 2016仮想マシンでは「入れ子構造の仮想化」がサポートされ、Hyper-V仮想マシンやHyper-Vコンテナの実行が可能になります - 【 New-ADUser 】コマンドレット――Active Directoryのユーザーアカウントを作成する (2017/7/19)
本連載は、Windows PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、「New-ADUser」コマンドレットです
|
|
キャリアアップ
- - PR -
転職/派遣情報を探す
「ITmedia マーケティング」新着記事
「イカゲーム」人気にドミノ・ピザも便乗 NetflixとCM共同制作の狙いは?
ケイト・トランブル氏がDomino’sのCMO(最高マーケティング責任者)に正式に就任して初...
2024年記憶に残った「生成AI活用事例」は? 課長以上に聞くマーケトレンド
アイブリッジは、マーケティング業務に携わっている従業員数100人以上の企業在籍の課長以...
IT部門にも教えたい 生成AIをマーケティングと営業に適用する最もふさわしいやり方
マーケティング、営業、カスタマーサポートなど顧客エンゲージメント領域における生成AI...