各サービスを組み合わせてクラウド活用
Amazon EC2/S3の使い方解説、決定版をAWSが公開
2010/01/15
米アマゾン傘下のAmazon Web Servicesは1月14日、クラウドコンピューティング上でシステム構築を行う場合のベスト・プラクティスをまとめた「Architecting for the Cloud: Best Practices」を公表した。
これまでにも同社は、AWSのサービスを組み合わせてスケーラビリティや可用性を実現する事例を紹介したり、具体的なサービスの組み合わせ方などを解説する文書を公開してきた。今回新たに公開されたホワイト・ペーパーは、こうした解説の集大成と言えるもので、自社だけでなくマイクロソフトやIBM、グーグルが公開しているホワイト・ペーパーも参照している。
20ページの英文PDFはクラウド一般のメリットや特徴から説き起こし、AWSの各サービスの簡単な解説を続けた後に、クラウドの各種の特性を最大限に引き出すシステムについて、一般論としての概説と具体的なアプローチを箇条書きにするというスタイルで説明している。
例えば、フェイルオーバー、高可用性、スケーラブルなアプリケーションの実現方法としては、
- Elastic IPを使って動的にIPアドレスとサーバインスタンスを結びつける。これによりトラフィックを任意のサーバに振り向けることができ、アプリケーションのバージョンアップやハードウェア障害時に対処できる。
- 異なるAvailability Zoneを使うことで、異なるデータセンターを使うかのように可用性を上げられる。
- AMI(Amazon Machine Image)を維持しておくことで、任意のタイミングでAvailability Zoneに複製サーバを起動できる。
- Amazon CloudWatch、もしくはオープンソースの監視ツールを使うことで、リアルタイムに死活監視、パフォーマンス監視を行える。
- 自動スケーリングのためのサーバ群を準備しておき、不調なAmazon EC2サーバがあれば、新しいサーバで置き換えられるようにしておく。
- cronによりAmazon EBSやAmazon S3に増分スナップショットを取る。
- Amazon SQSのキューを使ってコンポーネントを分離。これにより処理を非同期できるほか、バッファリングも可能。高負荷時の自動スケーリングを容易に行えるようになる。
- アプリケーションをなるべくステートレスに設計する。セッション情報はSimpleDBなどに保存する。
- ブート時に各サーバのロールに応じた設定を読み込んでAmazon S3上にAMIを生成するビルドプロセスを自動化する。そのためのオープンソースのツールを利用する。
- 汎用性の高いAMIはスナップショットを作っておき、実際のブート時には高速なAmazon EBSを複数のAmazon EC2インスタンスからマウントして利用する。
このほかホワイト・ペーパーでは、並列・分散処理の方法や、ファイアウォールの設定なども具体的に説明している。
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