バックアップ2製品の新バージョンで重複排除とアーカイブを統合

「重複排除のハードルを下げる」、シマンテック

2010/02/01

 シマンテックは2月1日、企業向けバックアップソフトの新バージョン「Backup Exec 2010」および「NetBackup 7」を発表した。重複排除機能をソフトウェアとして実装していることと仮想化環境への対応を強化したことが特徴だ。

 Backup Exec 2010は、Windowsプラットフォームを利用している中堅・中小企業を対象としたバックアップソフトだ。一方NetBackup 7は、LinuxやUnixも含むマルチプラットフォームに対応した製品で、大規模なシステムを構築しているエンタープライズをターゲットにしている。このバージョンから旧Veritasのブランドを外し、シマンテックブランドに一本化された。

 新バージョンでは、これまで「NetBackup PureDisk」で提供してきた重複排除エンジンをオプションとして統合した。この結果、別々に製品を購入しなくとも、ソフトウェア単体で重複排除を実現できるようになるという。

 重複排除とは、元データとバックアップデータに同じ部分がないかどうか比較し、同じデータについては二重にバックアップする代わりにポインタだけを保存することで、ストレージ使用量を節約する技術だ。ただ、これまではストレージハードウェア製品がこの機能を提供することが多かったため、「ある一定以上の規模でないとコスト的に導入が難しく、敷居が高かった」(同社プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャ 浅野百絵果氏)という。

 これに対しBackup Exec 2010では、PureDiskエンジンをオプションとして統合できるようにし、簡単に使えるようにした。これにより、データソース(作成元)に近い部分でクライアントエージェントで重複排除を行うことも、あるいは従来どおり、APIを介してハードウェア側で重複排除を行うことも可能で、「目的に応じて柔軟に重複排除の仕組みを組むことができる」(浅野氏)。NetBackup 7でも、バックアップクライアントとメディアサーバの双方に重複排除機能を搭載した。

 仮想化環境への対応強化に関しては、Backup Exec 2010では仮想マシンのイメージバックアップを元に、きめ細かくリストアできる機能を搭載した。対応するアプリケーションは、Microsoft ExchangeおよびSQL Server、Active Directoryに限られるが、メール1通、ファイル1つという細かな単位で戻すことができる。またNetBackup 7は、VMwareのvStorage APIに対応し、間にプロキシサーバを置くことなくバックアップを行えるようになった。この結果、パフォーマンスが最大50%向上した。これにより「仮想システムと物理システムにまたがって重複排除を行えるようになった」(同社プロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャ 石井明氏)という。

 さらに両製品は、「Enterprise Vault」のアーカイビング技術も統合している。バックアップデータの中から長期間更新されていないデータを保管庫にアーカイブすることで、ストレージ使用領域を削減できるほか、バックアップの所要時間も短縮できるというメリットがある。石井氏は、アーカイブと重複排除を併用することで、ストレージをより効果的に利用できると述べた。

symantec01.jpg OpsCenterのインターフェイス

 NetBackup 7ではさらに、複数のサイトにまたがってバックアップの実行状況やストレージ使用量などを監視し、バックアップ/リカバリの運用状況を把握できる管理コンソール「OpsCenter」を搭載している。ビジネスの視点から必要なレポートを容易に作成できる「OpcCenter Analytics」も搭載する。

 価格は、Backup Exec 2010が1サーバあたり14万6500円で、重複排除オプションは29万3800円。NetBackup 7の参考価格は62万円からとなっている。

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(@IT 高橋睦美)

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