AMD64、x86-32、ARMを同時ビルド
Chrome OS、クロスコンパイルにGentooのPortage採用
2010/02/18
ネットブックやタブレットでは、x86プロセッサばかりでなく、ARMアーキテクチャを採用するケースが増えている。こうしたデバイスをターゲットとするChrome OSで、クロスコンパイルのシステムとしてGentooのPortageが取り込まれた。1つのソースコードからAMD64、x86-32、ARMなど、異なるアーキテクチャ向けの各バイナリをビルドボットで作成するという。
オープンソース版プロジェクト、Chromium OS開発チームのRyan Cairns氏が2月6日にメーリングリストに投稿したところによれば、異なるビルド・ツールを検討した結果、Portageがもっともニーズに適していたために完全移行したという。Chromium OSで多くのパートナーと協業するようになるにつれて、クロスコンパイル環境の充実と、それによるアーキテクチャごとに最適化されたビルドへのニーズが高まっていたという。
Red Hat、CentOS、Debian、UnbuntuなどLinuxディストリビューションの多くでは、カーネルも含めて基本的に各ソフトウェアのパッケージはバイナリで配布される。これに対して、GentooのPortageはBSD系OSのportsシステムに似て、ソースコードを手元のマシンでビルドしてインストールするというパッケージシステムとなっている。ソースをビルドする分、特に大きなソフトウェアのインストールで時間がかかるというデメリットはあるが、コンパイルのオプションで個別のハードウェアアーキテクチャに最適化できるというメリットがある。このメリットはこれまでLinuxプラットフォームではあまり広く受け入れられていなかったが、ARMとx86、あるいは32/64ビット環境が混在するようになった現在、改めて光が当たった格好だ。
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