SalesforceからSugarCRMへ

経済産業省がOSSベースの「アイディアボックス」開設

2010/02/18

 オープンビジネスソフトウェア協会は、経済産業省が2月16日に事前公開した「経済産業省アイディアボックス」の開発と運用を受託したことを発表した。オープンソースの顧客管理ソフトウェア「SugarCRM」をベースに開発したシステムとなっている。

 経済産業省アイディアボックスは、IT政策に関する意見を広く受け付ける場として開設される、オンラインの投稿・議論の場だ。同省ではこれを「国民参加型のネット審議会」と位置付け、2月23日に正式公開予定となっている。なお、同様の目的で2009年10月から11月にかけて設置された「電子経済産業省アイディアボックス」(旧アイディアボックス)には、約1カ月の間に1706件のアイデアやコメントが寄せられていた。

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 新アイディアボックスでは、OpenIDに対応することにより、mixiやGoogle、Yahoo! Japanおよびlivedoorのアカウントを用いてログインし、投稿を行える。また、Twitterやはてなブックマーク、deliciousの各サービスと連携し、ボタンを押すだけで投稿できる機能を備えるなど、ソーシャルメディアとの連携が強化されていることが特徴だ。3月15日までアイデアを募集する。

Salesforce CRMからSugarCRMへ

 旧アイディアボックスは、セールスフォース・ドットコムの「Salesforce CRM Ideas」をカスタマイズする形で構築された。運用期間が1カ月と短いことから、SaaSのメリットを生かした形だった。

 しかし運用終了にともないシステムは利用できなくなり、データの山が経済産業省に残る状態に。せっかく寄せられた意見をうまく検索し、活用するための仕組みを、オープンビジネスソフトウェア協会の母体となったSugarCRM日本語ドキュメントプロジェクトの有志が作成し、「アフターアイディアボックス」という形で経済産業省に無償で提供したという。

 新アイディアボックスは、この延長線上にあるものだ。SugarCRMをベースに、経済産業省独自の要件を盛り込んで開発完了するまでの期間は、もともとあったアフターアイディアボックスを活用したため、1カ月ほどだったという。またシステムは、SugarCRMの勉強会に参加しているホスティングサービス会社のハートビーツのサーバ上で、SaaSとして提供される。利用料金は約90万円。

 オープンビジネスソフトウェア協会では、同システムのソースコードをオープンソースとして公開することも検討しているという。

(@IT 高橋睦美)

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