自動再配置機能FASTの今後も説明
EMC、V-Maxの新機能でサービスレベルと効率を向上
2010/02/24
EMCジャパンは2月23日、同社のハイエンドストレージ「symmetrix V-Max」の機能拡張を発表した。
今回の主な新機能は3つある。1つは8Gbpsのホスト接続の実現。ファイバチャネルによる8Gbps接続は他社ですでに提供している例があるが、FICON接続にも対応したのは、同社が初めてという。
2つ目は「スケールアウト構成オプション」。V-Maxのファームウェアの新バージョンで、より少ないエンジンで多くのディスクに対応できるようになった。これまで、V-Maxの最大構成はエンジン8基でディスクドライブ2400基だった。今回、2400基のディスクドライブを4基のエンジンで稼働できるようになった。また、エンジン2基で動かせるディスクドライブ数は、これまで480基だったが、これが1200基に増加した。これにより、従来比約20%のコスト削減が可能になるという。
3つ目として、仮想プロビジョニング(シンプロビジョニング)機能を強化した。
まず、筐(きょう)体内レプリケーションでシック(thick)ボリュームをシン(thin)ボリュームに移行できるようになった。
また、この移行時には、割り当て済みの領域でデータが削除されている部分を未割り当てに戻せるようになった。なお、いったんシンプロビジョニングを適用したボリュームについて、データを削除した場合、その容量を割り当てから減らすことは、V-Max発売当初から実現しているという。さらに、プールの拡張・縮退の場合に、データをディスクドライブ間で自動的に再配分することにより、ドライブ利用率の平準化が図れるようになった。
V-Maxの最大の武器はFAST(Fully Automated Storage Tiering)だ。これはストレージ上のデータの利用特性に応じて、SATAドライブ、ファイバチャネルドライブ、フラッシュドライブといったストレージ階層の間で、データを自動的に移行させる機能。
従来型のストレージでも、ストレージ装置のパフォーマンスを最大化するには、利用頻度の高いデータを高速なメディアに置くことが推奨されてきたが、実際の管理は手作業になるため、実行しにくかった。FASTでは、ボリュームに関して簡単なポリシーを事前に設定しておくだけで、人手を介在せずにデータの最適配置が可能。
ただし、現在のFASTバージョン1では、ボリューム単位での再配置にとどまっている。今年後半にはこれが小ブロック単位で移動できるようになり、さらに効率が向上する。同時に仮想プロビジョニングとの併用ができることになる。その後重複除外や選択的なドライブのスピンダウンと連動することで、さらにストレージ利用の効率化を図っていくという。
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