Lotus事業部が2010年の事業戦略を発表
Lotus Live、今夏にAPI公開でForce.com化?
2010/03/02
日本IBMは今年7月に、同社コラボレーション製品のSaaS版である「Lotus Live」で、パートナーにAPIを公開する。これによりLotus Liveと、パートナーが構築・稼働する付加価値アプリケーション/サービス、さらにはユーザー企業社内のLotus Notes/Dominoなどとの連携によるハイブリッドなコラボレーション・システムの利用を促進する。「Lotus Live Design Partnerプログラム」に参加のパートナーは先行して、6月末までにAPIを利用可能になる。
これは日本IBMが2月25日に実施したロータス事業部の2010年戦略発表で説明したもの。日本IBM ソフトウェア事業 Lotus事業部長 三浦美穂氏は、日本ではクラウドに対する関心が比較的高く、クラウドサービスを1つのきっかけとして新しいコラボレーションをユーザーに活用してもらいたいと話した。
Lotus LiveのAPIを利用することで、パートナーは自社が運営するSaaSサービスをLotus Liveに組み込んでユーザーに提供できるようになる。ユーザー認証も一本化が可能。Lotus事業部は戦略発表の場で、Lotus Live上の契約書に米silanisのサービスによる電子署名を行い、さらに連動するUPSのサービスで、自動的にこの書類を印刷・配送するシステムをデモした。
現在のところ、IBMがパートナーのアプリケーションをLotus Liveのデータセンターでホストする計画はない。パートナーは社内あるいはサードパーティのデータセンターで稼働する自社のアプリケーションと、Lotus Liveを連携させることになる。
パートナーは、2つの形態でLotus Live関連のビジネスを展開できる。
まず1つは、ユーザー企業がLotus Liveをそのまま利用するが、パートナーがSI支援やサポートを提供する形態。もう1つはパートナーのブランドのサービスにLotus Liveを組み込むというOEM形態だ。OEMの場合、Lotus Liveのサポートを含めてパートナーがユーザー企業に提供することになる。
これはパートナー戦略の強化の一環でもある。三浦氏は「これまで弱かった」パートナーとの協業を強化することが、2010年におけるLotus事業部の柱の1つだと話した。
Lotus Live以外にも、Lotus事業部は多様なパートナー支援策を用意している。
1つはパートナーに対する社内使用ソフトウェア・ライセンスの無償提供。「Lotus Domino Enterprise Server」から「Lotus Notes for Collaboration」「Lotus Sametime」「Lotus Quickr」「Lotus Connections」「WebSphere Portal Extend」まで、無償で利用できる。
各種のセミナーも展開する。新製品を紹介する「早わかり&深わかりセミナー」、実機で体験できる「さわってみよう Lotus製品」、技術者向けハンズオンも充実させる。また、「ソリューション開発無償支援プログラム」として、開発に必要なIBM製ソフトウェアの貸し出し、オンサイトでの開発環境構築支援、APIの利用方法などの技術情報の提供などを実施。日本IBMのソフトウェア開発研究所所属のソフトウェア・エンジニアがこれを担当する。
Lotus事業部は、ユーザー企業への働きかけも強化する。
Lotus製品群は、2009年の数々の発表により「史上最強の品ぞろえ」になったと三浦氏は説明した。ユニファイド・コミュニケーション、社内SNSをはじめとした「Collaboration 2.0」とも呼べる先進コラボレーション製品がひととおりそろったという。「今年の提案は新しいコラボレーション」(三浦氏)。業務改革のツールとしての展開を強化していきたいとしている。
そこでLotus Notes/Dominoユーザーへのクロスセル施策として、日本IBMでは6月末までの「Lotus Notes/Domino Advanced Collaboration Bundleキャンペーン」を実施。例えばDomino Enterprise Server CAL(サービス&サポート契約付き)100本以上を新規購入で45%引きになるとともに、同じ本数分のSametimeが40%引きになる。継続ユーザーにもディスカウントを提供する。
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