仮想アプライアンス計画も
ギガビットに対応、DRも最適化する「Steelhead」新モデル
2010/03/10
リバーベッドテクノロジーは3月10日、WAN最適化アプライアンス「Steelheadシリーズ」の新モデル「Riverbed Steelhead 7050」を発表した。従来機種では最大310Mbpsまでの帯域にしか対応できていなかったが、Steelhead 7050は最大1GbpsのWANスループットを最適化できるという。
Steelheadシリーズは、独自OS「RiOS」をベースに、TCPの最適化や圧縮といったさまざまな手法を組み合わせてWAN接続を高速化するアプライアンス製品だ。新モデルでは対応する帯域を高め、データセンターに集約したファイルサーバへのアクセス高速化といった従来の用途だけでなく、データセンター間でのバックアップやレプリケーション、ディザスタリカバリといった用途にも適用できるようにした。
また、搭載するストレージをHDDからSSDに変更。これにともない、ディスク書き込みロジックとしてRAID10に換えて、独自に開発した「FTS(Fault Tolerant Segstore)」を採用した。FTSにより、複数のディスクに障害が発生してもキャッシュを保持し、動作を継続できるほか、新しいディスクに取り替えた場合も2分程度でオンライン状態に復帰できるという。SSDの摩耗レベルが95%を越えると警告を出す機能も備えた。
Steelhead 7050はまた、CPUやメモリ、ディスク、WAN帯域という各要素の使用状況を把握し、状況に応じて圧縮など最適な手段を適用する「Adaptive SDR」にも対応している。この機能はRiOS 6.0で実装済みのもの。
Steelhead 7050には、16台のディスクを搭載し、最大7万5000同時TCP接続に対応可能な「モデルL」と、32台のディスクを搭載し、10万同時TCP接続に対応する「モデルM」の2種類がある。参考価格はそれぞれ2500万円、3300万円で、3月中旬に販売を開始する予定だ。
リバーベッドはすでに、EMCやブロケード、NetAppといったストレージベンダ各社と提携を結んでいる。同社マーケティングマネージャの伊藤信氏によると、今後はこの協力関係をさらに推し進め、FCIPのほか、SRDF/Aといったベンダ特有のプロトコルについてもSteelheadで対応し、最適化できるモジュールを追加する計画という。
また、データセンターやクラウド基盤での利用をにらんで本体の仮想化対応も進めており、2010年夏頃をめどにVMware ESX Server上で動作する仮想アプライアンス「Virtual Steelhead for the Cloud」を投入する計画だ。さらに、課金機能などを組み入れた別製品も予定しているという。
なおリバーベッドは同時に、ネットワークパフォーマンスを可視化する「Cascade 8.4」も発表した。Cascadeは同社が2009年1月に買収した旧Mazu Networksの技術をベースにしたもので、ネットワークの各ポイントでフロー情報を収集する「Sensor」と「Gateway」、それらが収集したデータを集約し、分析とレポートを行う「Profiler」から構成される。価格は、最小構成で570万円から。
特徴は、スタティックな「しきい値」で判断するのではなく、継続的にネットワークをモニタリングすることで、通常とは違う振る舞いやトラフィックを検出し、警告を出すこと。ユーザーから「何だかおかしい」と苦情が寄せられる前に、プロアクティブに問題を見つけ出すという。
新バージョンでは、Steelheadが導入されていないネットワークだけでなく、Steelhead導入後の最適化されたネットワークについても、パフォーマンス測定を行えるようになった。また、Steelheadアプライアンス上の仮想パーティションであるRSP(Riverbed Services Platform)上で動作する「Cascade Sensor-VE」を追加し、SteelheadアプライアンスとCascadeを1つの筐体に同居させ、導入することが可能になった。
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