統合アプリケーションフレームワーク製品を発表
業務アプリの構築やメンテの近代化で具体策、富士通
2010/03/12
富士通は3月11日、新たなアプリケーションフレームワーク製品ファミリ「INTARFRM(インターファーム)」を発表した。4月1日より段階的に出荷開始する。これにより富士通は、システム・インテグレーションの近代化に向けた同社の戦略を具体的に推進していく。
これまでの業務システム開発では、複数の開発手法やフレームワークがシステムごとにばらばらに使われてきた。これらは個別の開発作業の効率化では一定の効果をもたらしているものの、その前後のプロセス、つまり要求定義や設計と統合した管理を行っていないために、業務アプリケーションのライフサイクルをとおしての作業の標準化や作業効率の向上がしにくかった。アプリケーション機能の追加・向上や、OSやミドルウェアのバージョンアップや改変への対応にも、多くの工数が掛かりがちだと、富士通 システム生産技術本部本部長代理兼アプリケーションフレームワーク統合推進室長 合田治彦氏は指摘した。
富士通でもこれまで、地域システム開発会社で「QuiQpro」「eProad」「Client J Framework」「EZDeveloper」などのアプリケーションフレームワークが開発され、別個に利用されてきた。そこでこれらを標準化し、機能を強化するため、上記のアプリケーションフレームワークの開発キーマンのインプットを得ながら開発したのが「INTARFRM」だという。
INTARFRMは要件定義からの設計支援機能、開発支援機能、実行機能、保守支援機能を含む広義のアプリケーションフレームワークだと合田氏はいう。設計情報を格納するリポジトリを中核とし、ソースコードやテスト仕様書の自動生成機能も提供。リリース後にいつでも当初の要件や設計を確認することができる。
幅広い言語やアプリケーションアーキテクチャに対応しているのがINTARFRMの特徴の1つ。Java、Visual Basic/Visual C#、そしてCOBOLの実行機能を提供する。EJB、Ajaxの利用にも対応する。COBOLアプリケーションのフロントエンドをAjax化したいなどのモダナイゼーションニーズにも応えられるという。リポジトリからのコード自動生成機能で、OSやミドルウェアにおける変化の吸収を支援できるとしている。
INTARFRMの実行機能は、マルチテナント化などのSaaS対応を提供するため、アプリケーションをSaaS化することも容易になるという。また、SOAにも対応し、システム間連携もしやすくなっているという。
合田氏は、INTARFRMの利用により、システムをより長期間使い続けられるようになる一方、運用保守コストを大幅に削減できると説明した。システム開発者にとっては、開発期間を短縮化できるほか、ノウハウやスキルの共有や引き継ぎがしやすくなるという。
富士通は4月1日に、まずJava、Visual C#、Visual Basicに対応した製品を出荷開始する。その後段階的に、ほかの開発言語やリッチクライアントをサポートした製品を提供していくという。
2010年10月以降にはWindows Azureをサポートしたバージョンも提供。2011年度中にCOBOLによる開発・実行機能を提供するほか、開発環境のホスティングサービスもリリースする予定。
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