デル初のデータセンターサーバも発表
デル、新戦略でサーバ新製品などを大量投入
2010/04/05
デルは4月1日、大規模データセンター環境向け新製品ラインなど、インテルおよびAMDの最新CPUを搭載したサーバ新製品やバックアップストレージ、アセスメントサービスなど広範な製品・サービスを一挙に発表した。
サーバ新製品8機種の内訳は、大規模データセンター環境向け3機種と、企業向け4ソケットサーバが4機種、そして企業向け2ソケットサーバ1機種。
クラウド事業者向けの新製品ライン「PowerEdge Cシリーズ」は、デルが「ハイパースケール・コンピューティング顧客」と呼ぶサーチエンジンやSNSなどの大規模サイトを対象としたビジネス経験に基づく製品という。こうした顧客に対し、デルはそれぞれの要求に応じて設計したカスタムサーバを納入してきた。この活動の中で、最も納入台数が多かった設計をベースに開発したのがCシリーズだという。
Cシリーズはフルカスタマイズまでは必要としないが、大規模データセンターに特有の高密度や電力節約などのニーズを持つ企業に対し、レディメイド製品として販売する。
新製品は「PowerEdge C1100」「PowerEdge C2100」「PowerEdge C6100」の3種。いずれも2ソケットのラックマウントサーバで、C1100は1U、C2100とC6100は2Uのサイズ。C6100は密度を高めるため、ユニークな設計が施されている。
C6100は2Uサイズのシャーシに4枚のコンピューティングノードを収める構成になっている。各ノードはCPUソケット2つにDIMMスロットを12備えている。各シャーシが2個搭載する電源ユニットは、ノード間で共用する。ハードディスクは、シャーシ前面に1列で2.5インチのディスクドライブを最大24本搭載できる。従って各ノードは最大6基利用できる。コンピューティングノードとハードディスクはホットプラグ/ホットスワップが可能だ。
高密度設計により、1ラックで最大84台のノードを稼働できる。これをデルの標準的なラックマウントサーバ「PowerEdge R610」と比較すると、スペース効率は2倍だという。他社のデータセンター向けサーバ機では、特殊なラックを使わなければならない場合があるが、C6100では一般的なラックを利用できる。
一般企業向けサーバ機では、4ソケットサーバとしてブレード型の「PowerEdge M910」、ラックマウント型の「PowerEdge R910」「PowerEdge R810」「PowerEdge R815」を発表した。R815は日本AMDが3月下旬に発表した新サーバCPU「AMD Opteron 6100シリーズ」を搭載する。大量のメモリを搭載できるのはこれらの新製品の大きな特徴。R910(64スロット)で最大1TB、ほかの機種(32スロット)は最大512GB搭載可能だ。ブレード型のM910で512GBを搭載できるというのは非常に目立つ。また、R810、R815はデルでは初めて、4ソケットサーバを2Uサイズで実現したものという。
これらのサーバには、「Dell FlexMem Bridge」が利用できる。最新のサーバCPUでは、それぞれのCPUの先にメモリスロットが配置されているため、例えば4スロットサーバで2ソケットにのみCPUを装着した状態では、残りの2スロットの先にあるメモリスロットにはアクセスできない。しかしDell FlexMem Bridgeでは、残りのCPUソケットにモジュールを挿すことで、すべてのメモリスロットにアクセスできるようになる。4つのCPUを使用しなくても、サーバとして搭載可能な最大量のメモリを活用できることになる。独自のチップセットを使わずに、標準のチップセットでできるのがメリットという。
これらををはじめとする今後のデルの企業向け事業を支えるのは、同時に発表された「Efficient Enterprise Ecosystem(E3)」というビジョンだ。
「デルは世界規模でバリューチェーンのすべてを提供できる企業になった」とデル 代表取締役社長 ジム・メリット氏はS3を説明した。「今後はバーチャルで統合化されたソリューションを提供していく」。
メリット氏によると、垂直統合を進める競合他社は、ユーザー企業に妥協を強いている。統合的で運用コストの低いものを手にするために、ユーザー企業は高価でクローズド、独自仕様を受け入れなければならない。つまりベンダロックインだ。これに対し、デルはユーザー企業のITニーズに対応するソリューションを1社で統合的に提供しながらも、そのソリューションはオープンで機能性に優れ、買いやすい価格という3つの価値を備えるため、ユーザー企業は妥協する必要がないとしている。
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