対応管理製品・サービスの広がりもアピール
2010年版vProで企業のPC投資復活を狙うインテル
2010/04/07
インテルが4月7日に発表したビジネスPC管理技術の最新版「2010インテルvProテクノロジー」は、管理機能とセキュリティ機能の強化が目玉だ。
管理機能では、リモートKVM機能を新たに実現した。これはKVMスイッチの機能をハードウェア的に実装したもの。内蔵グラフィック機能を使う場合にのみ有効だ。リモートKVMでは、対象PCが電源オフ状態であっても、ブルースクリーン状態であっても、BIOS設定画面を表示している状態であっても、管理者がネットワーク経由でこのPCの画面を見ることができ、マウスとキーボードを使った遠隔操作もできる。従来のようなOSや、OS上のアプリケーションとして実現されているリモートデスクトップ機能と比べ、遠隔的に解決できるトラブルの幅が広がる。
セキュリティ関連では、マイクロプロセッサで「インテルAES-NI」という新たな命令セットを提供。これによってAESによる暗号化/復号をハードウェアで支援し、処理を高速化する。日立ソフトのハードディスク暗号化ソフト「秘文 AE Full Disk Encryption」では、AES-NIの利用により、100GBのハードディスク暗号化に要する時間を従来の63%に短縮できたという。
セキュリティでは、「インテル アンチセフト テクノロジー(インテルAT)」も新たに搭載した。インテルATでは、メモリチップのセキュリティ保護領域に保存した暗号鍵を、PCの盗難や紛失時に管理者が消すことができる。インテルATをハードディスク暗号化ソフトと併用すると、管理者が無効化したPCでは、それまでのパスフレーズが使えなくなり、正規ユーザーが改めて利用する際には、管理者からリカバリーキーの発行を受けなければならなくなる。
では盗難や紛失という状態をどう認識し、どう暗号鍵を消すのかという疑問が生じる。インターネット接続されていれば、管理者が管理ツール上で行った無効化設定が即座にPCへ伝わる。インターネット接続されていなくとも、パスフレーズ入力の誤りが事前に設定した回数以上に達した場合、あるいは管理サーバと通信できない状態が事前に設定した時間以上続いた場合に、自動的に暗号鍵を消すことができるという。
さらに最新vProテクノロジーでは、CPUに「インテルターボブーストテクノロジー」を搭載、パフォーマンスのきめ細かな改善も実現している。
インテルは、vProテクノロジーの最新機能に対応する製品やサービスの広がりを併せてアピールした。
vProテクノロジーの最新機能が活用できる「2010インテルCore vProプロセッサー」(Core i5 vPro、Core i7 vPro)を搭載したビジネスPCはNEC、富士通、パナソニック、東芝、デル、HPから提供される。
最新のvProテクノロジーに対応予定の管理製品・サービスは下記のとおり。
ハードディスク暗号化ソリューション
ウィンマジック・ジャパン「SecureDoc」(4月中旬に対応)、日本PGP「PGP Whole Disk Encryption」(今年中頃に対応)、日立ソフト「秘文 AE Full Disk Encryption」
PC管理ソフトウェア
マイクロソフト「System Center Configuration Manager 2007 R2」、エムオーテックス「LanScope Cat6」、ワンビ「トラストデリート」
クライアントハイパーバイザ
シトリックス・システムズ・ジャパン「Citrix XenClient」
PC管理サービス
NTTデータウェーブ「Wave PC Mate vProオプションサービス」、サイトロック「PITマネージドサービス」
米インテルのインテル・アーキテクチャー事業本部 副社長 兼 ビジネス・クライアント・プラットフォーム事業部長 リック・エチャべリア(Rick Echevarria)氏は、「(今回のvProテクノロジーにより)ビジネスPCは転換点を迎えた」と話した。
企業はPC調達を避けてきたが、古いPCは管理に大きなコストが掛かる。ユーザーはますますモバイル性とパフォーマンスを求めているが、一方で管理は複雑化している。今回のvProテクノロジーを搭載したPCに乗り換えることで、ユーザーニーズを満たしつつ、管理コストを大幅に削減できるとエチャべリア氏は訴えた。
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