データセンターのケーブルも集約
シスコ、Xeon 5600番台採用の第2世代サーバを発表
2010/04/08
シスコシステムズは4月8日、IAアーキテクチャのサーバ製品「Cisco Unified Computing System(Cisco UCS)」シリーズの第2世代を発表した。パフォーマンスや管理性の向上が特徴だ。
Cisco UCSは、シスコが2009年3月に発表したデータセンター向けのサーバ製品で、ストレージやネットワークの統合、仮想化環境への対応などを視野に入れて開発されている。米シスコのサーバアクセス&仮想化テクノロジグループ担当副社長、ソニ・ジャンダニ氏によると、出荷以来世界で約400の顧客が同製品を採用しており、その中には日本の近畿大学も含まれるという。
Cisco UCSシリーズは、大きく分けてブレード型とラックマウント型の2タイプがあり、それぞれに新製品を追加した。ブレード型では、Intel Xeon 5600番台のプロセッサを採用した「B200 M2」「B250 M2」、ラックマウント型でも「C200 M2」「C210 M2」「C250 M2」の出荷を開始。また、2010年第3四半期には、Intel Xeon 7500番台を採用した「B440 M1」および「C460 M1」を投入する予定だ。
Cisco UCSシリーズの特徴の1つとして、データセンターにはつきものの「ケーブル」を物理的に節約できることが挙げられる。FCoE対応によって、ネットワーク接続用のイーサネットとストレージ用のファイバチャネルを統合することに加え、ファブリックエクステンダ(FEX)アーキテクチャによって上流のスイッチとの接続をシャーシ単位で集約し、物理的な接続数を減らすことができる。
ジャンダニ氏はこの結果、ケーブルの総延長を減らし、ネットワークコスト削減につながるほか、運用管理を簡素化し、スパゲッテイ状になったケーブルの処理に困るという事態も避けられるとした。
なおシスコは第2世代のCisco UCSシリーズに合わせ、「Nexus」シリーズにも、ギガビットイーサネット対応の新製品「Nexus 2248」および10GbE/FCoE対応の「Nexus 2232」を追加している。いずれも、Cisco UCSシリーズと組み合わせ、ファブリックエクステンダとして利用可能だ。シスコはこのアーキテクチャを、Nexus 7000シリーズにも拡張する計画だ。また、既存のポートを安価にFEXアーキテクチャに対応させるトランシーバ「Fablic Extender Transceiver」もリリースしている。
もう1つの特徴として、管理ツールの「Cisco UCS Manager」を通じて、サーバ本体の設定、運用管理に加え、電源やファン(冷却装置)などの最適化が可能なことが挙げられる。ジャンダニ氏は、アプリケーションの稼働状況に応じて、電源や冷却に関するポリシーを適宜適用できると述べた。また、EMCやCA、HP、IBMといったサードパーティが提供するシステム管理ツールとの協調も可能だという。
同社では、近畿大学での導入事例を受けて教育機関からの引き合いが増加しているだけでなく、VDIソリューションとして魅力を感じる金融機関や高性能を活用したい画像関係の企業など、多くの企業がCisco UCSシリーズに興味を抱いていると説明。当初力を入れてきたブレードサーバのBシリーズに加え、ラックマウント型のCシリーズについても積極的に販売していきたいと述べた。
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