シスコ、新パートナープログラムを発表
仮想化やクラウドといった変化の核は「ネットワーク」
2010/04/28
米シスコは4月27日(米国時間)、サンフランシスコで開催している「Cisco Partners Summit」に合わせ、チャネルパートナー向けの新しいプログラムを発表した。仮想データセンターやそれを基盤にしたクラウドサービスといった、新たな市場の変化をにらんで展開するものだ。
米シスコのワールドワイドチャネル担当シニアバイスプレジデント、キース・グッドウィン氏は、10年前に同社が提唱した「Voice over Packet」と同じように、市場はこれから数年のうちに、4つの大きな変化に直面するだろうと述べた。具体的には「コラボレーション」「ビデオ」、そして「仮想化されたデータセンター」と「クラウドベースのサービス」だ。
これら4つの変化において「ネットワークは欠かせない要素であり、変化の中心にある」(グッドウィン氏)。それが次世代ネットワーク、すなわちセキュアで信頼でき、シームレスにいつでもどこでも利用できる「ボーダレスネットワーク」であると説いた。
なお同氏は、後の質疑応答の中で「テクノロジ的な観点から言うと、ボーダレスネットワークの鍵となる要素はセキュリティだ。シームレスにネットワークを拡張していくには、セキュリティに配慮しなければならない。アーキテクチャの一部としてセキュリティを組み込むべきだ」と述べている。
アーキテクチャ志向のプログラムを展開
これを受けて、同社ワールドワイドパートナー組織 Go to Marketグループ担当シニアバイスプレジデントのエジソン・ペレス氏は「マーケットの変化はパートナーにも影響を及ぼす。製品を導入してもらうのではなく、統合されたアーキテクチャの提供を通じて、顧客の変化を支援していかなければならない。従来のようなテクニカルソリューションだけでなく、ビジネスソリューションを提供しなければならない」と述べた。
新しいパートナープログラムはこの目的に沿ったものだ。販売初期段階からのコンサルティングやプロフェッショナルサービスを支援する新インセンティブプログラム「Cisco Teaming Incentive Program(TIP)を追加したほか、顧客のグローバル展開を支援する「Global Partner Network(GPN)」を発表。シスコのチャネルパートナー同士が協力することで、グローバル進出を図ろうとする企業のニーズにスムーズに応え、迅速な展開を支援する仕組みを整える計画だ。
さらに、パートナー認定プログラム「スペシャリゼーション」の範囲を、従来からカバーしてきたテクノロジだけでなく「アーキテクチャ」を視野に入れたものに変更する方針も明らかにした。従来は「ルータ/スイッチ」「ワイヤレス」「セキュリティ」といったテクノロジ別にカテゴリを分けていたが、新たに「ボーダーレスネットワーク」「コラボレーション」「仮想化」という、ソリューション寄りのカテゴリを新設する。
こうした取り組みによって、「複雑化している顧客ネットワークの可視性も向上する」(ペレス氏)というメリットも得られるという。
シスコは、「ネットワークこそ鍵」という視点に立った一連のプログラムを通じて、パートナー各社がコンサルティングやプロフェッショナルサービスを強化できるよう支援する方針。この結果パートナーは一層高い付加価値を提供でき、結果として顧客の課題解決やビジネスの変化を可能にするという。これらの施策は、2011年から展開する計画だ。
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