不正な端末の発見にも活用可能
干渉を検出して高品質な無線LANを実現、シスコ
2010/04/28
米シスコは4月27日、無線LAN接続の品質を確保する新しい技術「CleanAir」を発表した。ラスベガスで開催中の「Interop」に合わせてリリースした技術で、802.11n対応の無線LANアクセスポイント「Cisco Aironet 3500シリーズ」に搭載して提供する。
無線ネットワークが利用する周波数帯は、コードレス電話やワイヤレスビデオカメラ、Bluetooth機器など、ほかの機器が使用する電波と干渉を起こすことがある。この結果、パフォーマンスが落ちたり接続が不安定になったり、最悪の場合、接続が切断される可能性がある。
「ワイヤレスはあらゆる企業にとって、ミッションクリティカルになりつつある」(米シスコ ワイヤレスネットワーキング ビジネスユニット担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャ、レイ・スメッツ氏)いま、干渉の影響をいかに最小限に抑えるかが課題になっているという。
CleanAirは、こうした無線干渉を検出し、どの機器によって問題が生じているかを把握する技術だ。これにより、「もうIT管理者がラップトップPCを持って、オフィス内をうろうろする必要はなくなる。干渉などの問題を迅速に測定できる上に、管理性も向上する」(スメッツ氏)という。また、干渉検出後、周波数帯を最適化して問題を緩和させる電波資源管理機能も提供する。
収集した情報を基に干渉源を特定できれば、許可なく勝手に持ち込まれたアクセスポイントや監視用カメラなど、不正なデバイスを見つけ出すことも可能だ。この結果、無線を用いる機器利用のルールを徹底することにも寄与する。
特徴は、干渉検出機能をソフトウェアではなくASICで提供していること。つまり標準のWi-Fiチップセットを使わないため、無線接続のパフォーマンスに影響を与えることなく詳細な情報を収集できる。
同社ではレイヤ3およびレイヤ2で、Wi-Fi接続を保護し、管理する技術を提供してきたが、CleanAirは「レイヤ1」、つまりRFスペクトラムのレベルでセキュリティやパフォーマンスを提供する技術となる。「無線LANコントローラによる保護も含め、異なるすべてのレベルで無線接続のセキュリティを高める」(スメッツ氏)という。
シスコでは、CleanAir技術によって干渉の影響を排除し、パフォーマンスが保証された無線ネットワークを提供できるとしている。企業はもちろん、パブリックスペースやサービスプロバイダーが提供する無線サービスにも、この技術は有効だという。
CleanAirを搭載したCisco Aironet 3500シリーズの米国での価格は、1095ドルから。国内では2010年6月に販売開始の予定だ。
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