クラウド支える新ネットワーク構想実現のための新製品
多層化したネットワークをシンプルに、ジュニパー
2010/05/18
ジュニパーネットワークスは5月18日、最大48ポートの10ギガビットイーサネットを搭載可能なレイヤ3スイッチ「EX4500」および、最新のASIC「Trio」を搭載したデータセンター向けルータ製品「MX80 3D」を発表した。いずれも、同社が推進する「New Network構想」実現に向けたステップとなる製品だ。
ジュニパーネットワークスは先に、クラウドコンピューティング環境を支えるインフラとして、データセンター全体を1つのスイッチファブリックとして動作させるNew Network構想を発表した。エッジ、アグリゲーション、コアといった複数の階層から構成される現行のネットワークアーキテクチャを簡素化し、パフォーマンスの向上と管理負荷の軽減を図るというプランだ。まず既存のアーキテクチャを2層構造に縮小し、最終的にはデータセンター全体を論理的に1つのファブリックとして動作させるというロードマップを描いている。
「従来のネットワーク構造は層が増えて管理が大変になっているうえに、トラフィックの75%がインターナルに使われている」(同社代表取締役社長 細井洋一氏)。これに対しNew Networkは、クラウド環境を見すえた新しい提案だと述べた。
この際、核となる技術の1つが、同社独自OSの「JUNOS」だ。ルータやスイッチ、セキュリティサービスゲートウェイなど複数のネットワーク機器のOSをJUNOSをベースにした単一のプラットフォーム「Junos Space」に統合することで、運用管理の手間を省くことができるという。
同社はさらに、Junos Spaceの上で、運用管理を支援するソフトウェア製品群を提供していく。1つは、物理、仮想、両方のスイッチのコントロールを単一のコンソールで行う「Virtual Control」だ。また、人的エラーを減らし、サービスの迅速な展開を支援するため、プロビジョニングツールの「Ethernet Design」やセキュリティ管理アプリケーションの「Security Design」も提供していく。
もう1つ、Net Network実現に向け、ネットワークアーキテクチャを2層化していく際に鍵となるのが、複数のスイッチを接続し、仮想的に1台の大規模なスイッチとして動作させる「バーチャルシャーシ」技術だ。場所を問わずにバックプレーンごと接続し、論理的に1つの高速なスイッチとして動かすことで、ネットワークアーキテクチャの2層構造化を可能にするという。新製品のEX4500とMX80 3Dはいずれも、2011年前半にバーチャルシャーシに対応する予定だ。
またセキュリティ強化の観点から、クライアント向けの統合セキュリティソフトウェア「Junos Pulse」を提供する。SSL VPNクライアントやNAC、WAN高速化といった機能を統合したソフトウェアで、Junos Spaceと連動して動作する。ジュニパーネットワークスではPC向けだけでなく、スマートフォン向けにもJunos Pulseを提供していく予定だ。
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