モバイルデバイス向けの日本語版アプリも提供予定

SugarSyncが日本語版開始、開発者向けプログラムも

2010/05/20

 インターネットを介したデータ同期/共有/バックアップサービスを提供している米シュガーシンク(SugarSync)は5月20日、日本市場向けにサービスを開始することを発表した。すでに全ユーザーのうち8%が日本の利用者で占められているというが、日本語クライアントなどの提供を通じて本格的な普及を図る。

 SugarSyncのサービスは、インターネットを介して文書や音楽、画像などさまざまなデジタルデータを同社データセンターにアップロードし、場所やデバイスを問わず、常に最新のデータを参照できるようにするものだ。PCだけでなく、iPhoneやAndroid端末、Blackberryなどのモバイル機器からも利用できる。現在モバイル向けアプリケーションは英語版のみの提供だが、2010年中に日本語版をリリースする計画だ。

 Dropboxをはじめとする競合サービスとの大きな違いは、同期対象となるファイル/フォルダを柔軟に設定できることだ。専用クライアントやWebインターフェイスを介して、どの端末にどのデータを同期させるかを選択できる。同期に時間のかかりそうな重たいファイルはネットブックには同期せない、といった設定が可能だ。またいったん設定を済ませれば、ドラッグ&ドロップ操作を行わなくとも自動的に同期が行われるという。

sugarsync01.jpg

 さらにファイル/フォルダごとに、「表示のみ」「編集・追加」などのアクセス権限やパスワードの設定が可能だ。「これらは特に、企業向けでは必須の機能」(SugarSyncのユーザーでブルームコンセプトの代表取締役 共同経営責任者 小山龍介氏)。

 ネットカフェのように不特定多数のユーザーが利用するためデータを残しておきたくない環境向けに、「WebSync」機能も提供する。Javaベースのアプリケーションで、ローカルにデータをダウンロードすることなくファイルの編集・アップロード作業を行える。これにより、情報漏えいのリスクを抑える。

sugarsync02.jpg 米シュガーシンク 最高経営責任者 ローラ・イーシーズ氏

 さらに中小企業向けのサービスでは、複数の従業員が利用するストレージ領域をプール化したり、クォータのようにアカウントごとに容量制限を設定することが可能だ。「管理をしっかり行えるようにし、セキュリティ面での確実性を向上している」(米シュガーシンクの最高経営責任者 ローラ・イーシーズ氏)。

 イーシーズ氏はまた、3月22日に開始したデベロッパープログラムにも言及。「同期というのはクラウドの活用において非常に重要な役割を果たす。それゆえに、このプログラムを通じてほかのアプリケーションにもSugarSyncのプラットフォームを開放し、さまざまなアプリケーションの機能強化を可能にした」と述べた。

 デベロッパープログラムはまだβ版だが、SygarSyncプラットフォームのAPIを公開しており、サードパーティ製のWebアプリケーションとのマッシュアップが可能だ。イーシーズ氏によるとすでに100名程度の開発者が参加しており、オンラインの文書編集/ワープロアプリケーションにSugarSyncの仕組みを組み入れて自動的に同期を行う機能などの開発が進んでいるとした。

 SugarSyncは、ストレージ容量2Gまで/PC2台まで利用できる無料版のほか、有料版を用意。30GBまで利用できるメニューでは月額4.99ドル/年額49.99ドルなどとなっている。またビジネス向けプランは100GB/3ユーザーで月額29.99ドル/年額299.99ドルから。

(@IT 高橋睦美)

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