小規模システム向けに機能を絞った新製品を追加
CAがバックアップ製品をバージョンアップ
2010/05/31
CA Technologies(日本CA)は5月31日、バックアップ/リカバリソフトの新バージョン「CA ARCserve r15シリーズ」を発表した。小・中規模システム向けに、サーバ1台でイメージバックアップを取得できる「CA ARCserve D2D r15」を新たに追加している。
CA ARCserveシリーズは、操作性の高さを特徴とする企業向けのバックアップ/リカバリソフトウェアで、災害対策(BCP)も支援する。物理・仮想両環境をサポートし、同じような手順でバックアップを運用できることが特徴だ。
同シリーズには、長期保存などの機能も備えた統合バックアップ製品「CA ARCserve Backup r15」のほか、レプリケーションによりリアルタイムでデータを保護する「CA ARCserve Replication / High Availability r15」があった。今回のバージョンアップに合わせ、新たに、小規模システム向けに機能を必要最低限に絞って導入しやすくしたCA ARCserve D2D r15を加えることで、規模を問わず、データ保護のさまざまなニーズに「全方位で対応できる」(同社ストレージ・ソリューション事業得 事業部長 江黒研太郎氏)。
CA ARCserve D2D r15は、Windows向けのバックアップ製品で、小規模企業や地方拠点、部門サーバなどで簡単に導入、運用できるよう設計している。ファイル/フォルダ単位でのリストアが可能なほか、ハードウェア故障時に異なるハードウェア上で素のマシンの状態に戻すベアメタル復旧機能を備えている。ただあえて「『あるといいな』といった機能は載せず、バックアップとリカバリに必要な機能だけを提供する」(同社 ストレージ・ソリューション事業部 プロダクト ソリューション グループ 今井敏博氏)。
CA ARCserve D2D r15では同社独自の「i2テクノロジ」により、ブロック単位でバックアップを取得する。一度フルバックアップを取得した後は、増分バックアップごとに復旧ポイントを作成する仕組みにより、ディスクの使用量を抑える。このためディスク容量管理に気を遣う必要がなくなり、「リカバリが必要になるときまでメンテナンスフリーで運用できる」(今井氏)という。
CA ARCserve Backup r15では、バックアップ対象環境をグラフィカルに可視化する「Infrastructure Visualization」機能を追加した。どんなノードがつながっており、バックアップ対象はどれか、処理は成功したか失敗したのかといった情報を、一目で把握できるようにする。また、バックアップ方法などに応じて適切な選択項目を自動的に表示するなど、マニュアルなしでも適切な設定を行えるようユーザーインターフェイスを改善した。さらに、対応アプリケーションを拡大し、Microsoft Exchange Server 2010やSQLインジェクション Server 2008 R2などをサポート。「保護対象となる環境はどんどん変化しているが、その変化に追随する」(今井氏)という。
CA ARCserve Replication / High Availability r15は、「シングルサーバレプリケーション」「ファイルサーバ専用版 メンテナンス付き」など、低価格のラインアップを追加し、小規模な環境でも、低コストで手軽にレプリケーションを行いたいというニーズに対応した。同時に、仮想環境でのレプリケーション機能も強化。従来サポートしていたVMware/Hyper-Vに加えCitrix XenServerに対応したほか、Hyper-Vでのホスト単位の複製機能を追加した。従来は仮想ゲスト単位で取得していたレプリケーションを、Hyper-Vのゲストを丸ごと複製することによって、環境設定が容易になるという。
CA Technologiesでは、パートナー向けに無償のハンズオントレーニングを開催するなどして、CA ARCserve r15シリーズの導入を支援していく。価格はCA ARCserve D2D r15が8万円から、CA ARCserve Backup r15は15万円から、CA ARCserve Replication r15は19万8000円から。またファイルサーバ専用版CA ARCserve Replicationは9万8000円で、メンテナンス付きは11万8000円となる。
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