データセンター向け機能の充実も予定

日立電線、40GbEポートを搭載したボックス型スイッチを発表

2010/06/01

　日立電線は6月1日、40ギガビットイーサネット（40GbE）を搭載可能なボックス型スイッチ「Apresia15000-64XL-PSR」と「Apresia15000-32XL-PSR」を発表した。出荷は2011年2月末の予定だ。

　コアネットワークでは長らく、ラインカードの追加によって拡張が可能なシャーシ型スイッチが採用されてきた。日立電線ではこれに対し「BoxCore戦略」を掲げ、シャーシレスのネットワークを構築するというアプローチを提案。2009年に発表した「Apresia13000シリーズ」などのラインアップを投入してきた。

　新製品のApresia15000-64XL-PSRとApresia15000-32XL-PSRは、その延長線上に位置付けられる。40GbEのアップリンクを搭載しながら、消費電力やスペース、コストをシャーシ型スイッチの約10分の1に抑えられることがメリットだという。

　同社執行役情報システム事業本部長の辻正明氏は、「エンタープライズ向けスイッチ市場は、コモディティ化により中長期的に微減と見られるのに対し、データセンター向けのイーサネットスイッチは成長基調にある。そしてそのデータセンターでは、さらなる広帯域、さらなる多ポートが求められている。新機種の追加はそうしたニーズに対応するもの」と述べた。

　こうした需要を踏まえ、時期は未定だが、データセンターおよび仮想化を利用したクラウド環境での利用に特化した機能を強化するライセンスも提供する予定だ。具体的には、ストレージ統合を支援するFCoE／DCB対応や、スイッチを仮想化し、仮想マシンをネットワーク側から制御する機能などが含まれる見込みだ。

　Apresia15000-64XL-PSRは2Uサイズで、40GbE対応のアップリンクポート2個に加え、1/10GbE対応のSFP/SFP+ポートを64個搭載する。スイッチング容量は1.28Tbps。Apresia15000-32XL-PSRは1Uサイズで、40GbEポートを2個、1/10GbEポートを32ポート搭載する。いずれのスイッチも、オプションライセンスの追加によりレイヤ3スイッチングに対応する。

40GbE×2、1／10GbE×64ポートを搭載する「Apresia15000-64XL-PSR」

　価格は、Apresia15000-64XL-PSR本体が400万円、電源ユニットは24万円。Apresia15000-32XL-PSRは本体が160万円、電源ユニットは20万円。L3ライセンスはそれぞれ100万円、50万円。6月9日から11日まで幕張メッセで開催されるInterop Tokyo 2010でも出展する予定だ。

　なお日立電線は引き続きApresiaシリーズのラインアップを拡張し、ローエンドの低価格スイッチ「ApresiaLight」や、インフラ向けの耐環境レイヤ3スイッチ「Apresia5000」などに新製品を追加していく計画という。