リバーベッドとマカフィーが提携、仮想化技術で統合
WAN高速化とファイアウォールを拠点向けに1台に
2010/06/01
リバーベッドテクノロジーとマカフィーは6月1日、WAN最適化とセキュリティを組み合わせたソリューションの提供に関して提携を結んだ。リバーベッドが提供するWAN最適化アプライアンス「Steelhead」上で、マカフィーのファイアウォール製品「McAfee Firewall Enterprise」の仮想アプライアンス版を動作させる。
リバーベッドは、独自OS「Riverbed Optimization System」(RiOS)をベースにしたWAN最適化アプライアンス製品「Steelhead」を提供している。企業拠点から、データセンターなどに集約したサーバへのアクセスを高速化し、WAN回線越しでもアプリケーションを快適に利用できるようにする製品だ。
同社はまた、Steelheadアプライアンス上に、VMwareをベースにした仮想パーティションとして「Riverbed Services Platform」(RSP)を実装。パートナー各社向けの仮想化プラットフォームとして提供している。すでに、プリントサーバやDNS/DHCPサーバなどが、RSP上の仮想アプライアンスとして動作している。
マカフィーとの提携もこの仮想化プラットフォーム、RSPを利用するもので、Steelheadアプライアンス上でMcAfee Firewall Enterpriseの仮想アプライアンスが動作することになる。これにより、1台の筐体で、WAN最適化とセキュリティ対策を同時に提供できるようにする。
McAfee Firewall Enterpriseは、マルチレイヤセキュリティを提供するファイアウォール製品で、米国の国防機関などに広く導入実績を持つ。Steelheadアプライアンス上では、このうちファイアウォールのほか、VPN、URLおよびWebコンテンツのフィルタリング、アンチスパムといったセキュリティ機能を実装する。ただし、重たい処理になりがちなアンチウイルスは省くという。
リバーベッドではマカフィーとのソリューションを「ブランチオフィス・イン・ア・ボックス」と表現し、拠点側でのサーバ統合に活用していく。別々の箱ではなく、1台のSteelhead上にセキュリティ機能を統合することで、コスト削減に加え、運用管理の簡素化が図れるという。
「サーバ統合というとデータセンター側の文脈でばかり語られてきたが、拠点側にもいくつかサーバがある。それを統合することによって、データセンターでのサーバ統合と同じように、TCO削減や電力消費の削減、運用負担の軽減といったメリットを享受できる」(リバーベッドのマーケティングマネージャー、伊藤信氏)。
同ソリューションは、双方のパートナーの協力を得た上で、2010年夏以降に提供を開始する予定だ。導入の際にはSteelheadアプライアンスとRSPのライセンスに加え、McAfee Firewall Enterpriseの仮想アプライアンス版の購入が必要となる。
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