日本ベリサインが説明会を開催

任意の名称を付けられる新gTLD、開始に向けた準備とは

2010/06/22

 日本ベリサインは6月18日、2011年に申請開始予定の新gTLD(generic Top Level Domain)の導入を検討する企業向けに、申請作業を支援するコンサルティングサービスを提供することを発表した。サービス提供に際しては、米ベリサインおよびオーストラリアのレジストラ、メルボルンITと連携するという。

 当初は.comや.net、.orgといった限られた種類のみだったgTLDだが、ICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)は徐々にその種類を増やしてきた。2000年10月に.biz、.infoなど7種類のgTLDを追加したのを皮切りに、いまでは.jobs、.travelや.telなど、21種類のgTLDが利用できるようになっている。

 さらにICANNは2008年、gTLDを自由化し、地域名や企業名、ブランド名や人名など任意の名称をgTLDとして利用できるようにする方針を明らかにした。2010年12月には新gTLD申請者向けガイドブックの最終版を公表し、2011年3〜4月から申請受付を開始すると見込まれている。

 新gTLDはUnicodeに対応しており、英語以外の言語でも利用可能だ。ICANNへの申請費用は18万5000ドルで、運用後の管理費用は年額2万5000ドルの見込み。セカンドレベルドメイン数が5万以上に上った場合、1ドメイン当たり年額25セントの追加費用が必要となるという。

verisign01.jpg メルボルンITの最高戦略責任者(CSO) ブルース・トンキン氏

 メルボルンITの最高戦略責任者(CSO)、ブルース・トンキン氏によると、新gTLD申請のプロセスは次のようになる。ドメイン名申請を受け付けるとICANNではその旨を公表し、しばらくの期間、パブリックコメントを募集する。この期間中、第三者による異議申し立が可能だ(無料)。それを踏まえてICANNが評価を下し、再度レポートを公表する。これに対しても最終異議申し立てが可能で、問題がなければドメイン登録に至る。

 gTLDでは、同じドメイン名の衝突が常に課題となってきた。新gTLDでは、まず「企業とコミュニティが同一の文字列を申請した場合は、コミュニティの方が優位性を持つ」という。民間企業どうしが同じ文字列を申請した場合は話し合いを行い、それでも決着が付かなければオークションによって解決するという。

 新gTLDにはまた、ミスタイプ誘導を狙った、似た名称のTLDの申請は認められないというルールが設けられる。例えばどこかの企業が「.brand」というgTLDを取得した場合、以後、「.brandd」や「.brrand」といったドメイン名の申請は認められないことになる。トンキン氏は「類似」とみなす基準を「ユーザーに混乱を来すほど似ている場合」だと述べた。具体的には、ICANNの専門家パネルが似ているかそうでないかの評価を下すことになるが、この決定に対しても異議申し立てのプロセスが設けられているという。

 トンキン氏は新gTLDによって、「ブランド認知活動の強化が可能になるし、ユーザーにとっても混乱が少なくなる。セカンドレベルドメインの独自利用が可能なので、自社名と製品名を使ってコントロールすることも可能だ。また技術的にはDNSセキュリティの強化やパフォーマンス向上といったメリットが見込まれる」と述べた。特に、クロスメディア型マーケティング活動の展開を考えている企業には最適だといい、約500件の申請があると予測している。

 今回ベリサインが発表した支援サービスは、この新gTLD取得を対象にしたもの。新gTLD取得・運用方針策定に関するコンサルティングから、申請書の作成、取得後のgTLD運用やブランド侵害のモニタリングといったメニューを用意している。

 日本ベリサインの事業戦略室 Naming事業推進チーム マネージャの宮崎謙太郎氏によると、新gTLDの取得を目指すならば2011年3月前後の申請が必要となり、それには、さかのぼって2010年9月ごろまでに企業として新gTLDにどう対応するかの方針を決めておくべきだという。宮崎氏はまた、新gTLDは定常的に申し込めるものではなく、次回の募集時期は未定である点にも注意が必要だと述べた。ただ、すでに.comでよいドメイン名を持っていたり、ブランド名の文字列が6文字以上で長い場合などは、「新gTLDの進ちょくと市場の反応の様子を見ることも1つの手」(トンキン氏)という。

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(@IT 高橋睦美)

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