ITコアは月額5000円の選択肢も提供
IaaSで半導体ストレージも選べるサービスが提供開始
2010/07/01
ITコアは7月1日、同社のIaaSサービス「GrowServer2010」でCPUとストレージの選択肢を強化した新ラインアップ「GrowServer2010-II」を提供開始した。
今回の新ラインアップは、GrowServer2010の利用用途が多様化していることに対応するものだという。「ピーキーな処理が発生するシステムでは、これまで(GrowServer2010では対応できず)物理サーバで運用せざるを得なかったものがある」とITコア東京 取締役社長の飯塚雅也氏は話す。これまでのGrowServer2010における仮想マシンのCPU周波数は2GHz固定だった。今回は0.5GHzから8GHzまでに対応し、軽量なWebサーバから高負荷のデータベースまでをまかなえるようにした。同時にもっとも低スペックなものでは月額5000円(CPU 0.5GHz、メモリ512MB)という低価格サービスを追加した。
ユニークなのは、ストレージのタイプを選べるようになったことだ。特に半導体ストレージの採用は、国内では初と見られる。
これまでITコアは、GrowServer2010における汎用ストレージをデータコアの「SANsymphony」で仮想化して使ってきた。これはそのまま「共用ストレージ」として継続提供される。今回新たに加わったのは「クラウドストレージ」と「半導体ストレージ」、そして最低ランクの「ローカルストレージ」のオプション。IOPSの目安は、共用ストレージが1000、クラウドストレージが3000、半導体ストレージが10000〜30000という。
クラウドストレージでは3PAR、半導体ストレージではコアマイクロシステムズの「Super SSD」を使う。ITコア 代表取締役社長の山田敏博氏は、多数のアクセスが24時間発生するような用途では、性能が安定していて、ノードの追加による容量拡張が容易であり、容量追加作業中もパフォーマンスの低下がないという点で従来の共有ストレージよりも3PARが有利としている。また、Super SSDはコアマイクロのRAMで構成された高速ストレージを安価にしたもので、大量のRAMモジュールをSSDのキャッシュとして実装手法によりIOPSを高めている。
なお、GrowServer2010-IIではバックアップ手法を、これまでのスナップショットから定期的なファイルコピーに変更した。スナップショットは負荷が大きいことと、運用の標準化を図ることがその理由という。
ITコアでは今後1〜2カ月の間に、ストレージI/O負荷をユーザー自身が確認できるようにするためのツールを提供するという。これにより、自分のアプリケーションに適したストレージ・オプションを選びやすくしたいとしている。同社は今後、仮想サーバの運用情報を幅広く確認できるコントロールパネルを提供する予定という。
山田氏によると、GrowServer2010の最大の差別化ポイントは「相談できるクラウド」という点。ユーザー個々のニーズに対応したカスタム構成を支援するサポートサービスを、今後さらに強化していきたいとしている。
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