ストレージでは全社統合に適した機能を搭載
デルがサーバとストレージを発表、GPUコンピューティングにも対応
2010/07/12
デルは7月8日、同社のサーバとストレージの新製品および機能強化を発表した。サーバはラックマウント1機種とブレード2機種、シリコンストレージおよびGPUコンピューティングのオプションカード。ストレージはSSD搭載製品の追加と管理機能の強化を行った。特にストレージの管理機能強化は、地味ながらも統合ITインフラ管理に役立つことが期待できる。
ラックマウントサーバの新製品「Dell PowerEdge R715」はAMDのOpteron 6100番台を搭載できる2Uサイズの2ソケットサーバ。デルは4ソケットサーバではOpteron搭載モデルを提供してきたが、2ソケットサーバはXeon搭載モデルしかなかった。R715は12コアCPUを2個搭載可能とすることで、多数のコアを比較的安価に利用できるメリットをアピールする。
ブレードではハーフハイトの「Dell PowerEdge M610」をフルハイト化した「Dell PowerEdge M610x」を8月中旬に出荷開始する。メイン基板部分はM610と共通で、これにフルサイズのPCI Express Gen 2カードを2枚挿せる拡張性が加わった。このスロットは供給電力が特徴。シングルスロットカードには最大250W、デュアルスロットカードには最大300Wを供給できる。これにより、ラックマウントでなくブレード型のサーバでありながら、8月中旬から同社がOEM提供する半導体ストレージカード「Fusion iODrive」やNVIDIAのGPUコンピューティングカードを利用できる。ブレードではハードディスクドライブの搭載数こそ4基から2基に減ったものの、フルハイトの「Dell PowerEdge M710」に近い拡張性をハーフハイトに集約した「Dell PowerEdge M710HD」も同じく8月中旬に出荷開始の予定。
ストレージでは「Dell EqualLogic PS6000 XVS/PS6100 XVS」を8月下旬に提供開始する。EqualLogicストレージは全モデルでディスク構成が固定だが、新製品では100GBのSSDを8基搭載。SASドライブとの自動的階層ストレージ構成でパフォーマンス向上を狙っている。
EqualLogicでは、7月下旬に提供開始の新ファームウェア「Firmware 5.0」が面白い。まず、「Volume Admin Role」はストレージのボリューム管理権限をユーザーに部分的に移譲できる機能。これによってボリューム管理者となったユーザーは、ストレージ管理者にいちいち申請することなく(与えられた枠内で)ボリュームを拡張したり、スナップショット領域の容量を調整したりできる。
また、「Thin Clones」機能では、あるボリュームのある時点のデータを「テンプレート」として固定化し、これをほかのボリュームで活用できる。この場合各ボリュームは、テンプレートからの変更部分のみを保存すればいいため、ディスク容量を節約できる。デスクトップ仮想化や、アプリケーションのテスト、メンテナンス用途に適している。さらに、VMwareについては新バージョンvSphere 4.1のvStorage APIに対応、サーバを経由せずにデータコピーが行えるようになってサーバ負荷の軽減とコピー時間の短縮が実現した。これらの機能はほかのベンダも実装が進めているが、管理のしやすさが最大の特徴であるEqualLogicに加わったことは大きな意味がある。
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