ワールドカップ南ア大会ではトラフィックピーク記録達成

オンラインでのデジタルコンテンツ販売を快適に、アカマイ

2010/07/22

 アカマイは7月22日、電子商取引サービスを提供する事業者向けに、「Akamai ESD for Commerce」の提供を開始した。Akamai ESD for Commerceは、すでに提供しているソフトウェア配信支援機能「Electronic Software Delivery」を強化したサービス。クライアント側にP2P技術を取り入れることで、デジタルコンテンツ配信のパフォーマンスをさらに向上させるという。

 米アカマイ・テクノロジーズのインダストリー・マーケティング担当副社長、ラヴィ・マイラ氏は、世界的な不況の中、eコマース市場だけは順調に成長していることを指摘した。特に、インドや中国では、年率40%以上の急激な成長を見せているという。

akamai01.jpg 米アカマイ・テクノロジーズ インダストリー・マーケティング担当副社長 ラヴィ・マイラ氏

 このオンライン市場では航空チケットやホテル予約といったサービスのほか、衣類や家電製品などさまざまな物品が売買されているが、トップ10のうち2種類は、「オンラインゲーム」と「音楽ダウンロード」というデジタルコンテンツだった。

 「いずれ、本やDVDといった商品もデジタル化して販売されるだろう。そのとき注意しなければならないのは、商品をきちんと配信することだ」とマイラ氏は述べた。「ダウンロードに時間が掛かってしまうと、そのユーザーは二度と買い物をしてくれないかもしれない」(同氏)。

 Akamai ESD for Commerceは、こうしたデジタルコンテンツ配信を支援し、快適にダウンロードできるようにするサービスだ。元々アカマイでは、世界71カ国に約7万3000台のEdge Serverを配置し、エンドユーザーに近い部分からデータを提供する仕組みによって、コンテンツ/アプリケーション配信のパフォーマンスを改善している。新サービスでは加えて、専用ソフトウェア「Akamai Client」を通じて、エンドユーザー同士がP2Pでデータの一部を配信できるようにする。米国のあるゲーム事業者の場合、BitTorrent DNAを用いる場合に比べ、エンドツーエンドのパフォーマンスは13%改善したという。

 アカマイは同時に、近年のトラフィック増加傾向についても報告した。同社が計測しているトラフィックは年々確実に増加しており、アジア太平洋地域では過去5年平均95%成長という伸びを示した。インターネット利用者の増加に加え、ストリーミング配信のビットレート向上や視聴時間の長時間化によって、トラフィックは増加の一途をたどっているという。

 なお、これまで同社が観測したトラフィックのピークは、オバマ大統領の就任演説の際の1TBだったが、先日開催されたFIFAワールドカップ2010 南アフリカ大会関連のトラフィックはそれを上回った。アカマイは大会期間中、24社にネットワークサービスを提供していたが、そのトラフィック総計が1TBを上回る日が7日間あり、「アメリカ-アルジェリア戦」と「スロベニア-イングランド戦」の2試合が重なった6月23日には、1.6TBに至ったという。

関連リンク

(@IT 高橋睦美)

情報をお寄せください:

Master of IP Network フォーラム 新着記事

キャリアアップ

- PR -

注目のテーマ

- PR -
ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

生成AIを業務で使わないマーケターはもはや3割以下 御社はどうする?
HubSpot Japanが日本で実施した調査によると、日本のマーケターの8割以上が従来のマーケ...

新富裕層の攻略法 「インカムリッチ」の財布のひもを緩めるマーケティングとは?
パワーカップルの出現などでこれまでとは異なる富裕層が生まれつつあります。今回の無料e...

ブラックフライデーのオンラインショッピング 日本で売り上げが大幅に増加した製品カテゴリーは?
Criteoは、日本国内のブラックフライデーのオンラインショッピングに関する分析結果を発...