15.36Tbpsのバックプレーン容量を備えたコアスイッチ
ブロケード、100Gbpsイーサネットで攻勢をしかける
2010/09/30
ブロケードコミュニケーションズシステムズは9月28日、100Gbpsイーサネット通信モジュールと、これを生かすアーキテクチャを備えた同社としては最上位機種のコアルータを国内発表した。
100Gbpsイーサネットモジュールは、2010年6月に最終承認されたIEEE 802.3ba規格に基づく2ポートモジュール。ブロケードの既存ルータ/スイッチ「Brocade XMR」「Brocade MLX」に加え、後述の新製品「Brocade MLXe」で使うことができる。特にMLXeでは、シャーシ当たり最大32の100Gbpsポートを構成でき、全ポートがワイヤスピードで通信できるという。ブロケードの日本法人は価格を公表していないが、9月15日の米国発表では19万4995米ドルで、競合他社製品と比べて大幅に安価だとしている。同モジュールは国内受注を開始。出荷開始は2011年上半期を予定する。
ルータの新製品Brocade MLXeは、ブロケードの「Brocade MLX」ルータシリーズの最上位機種。シャーシのバックプレーン容量を、既存製品の2倍に当たる15.36Tbpsに拡張した。100Gbpsポートを最大32ポート、10Gbpsポートは最大256ポート、1Gbpsポートは最大1536ポート搭載可能という高いポート密度がウリだ。
MLXeには、ハーフサイズスロットの搭載数が4/8/16/32の4つのモデルが用意されている。このバリエーションも特色の1つといえる。
ブロケードのSP テクニカルエンゲージメント本部 本部長の村田眞人氏は、100Gbpsイーサネットを活用した配線統合が柔軟・大規模に行えることから、MLXeの利用シーンとしてインターネット・バックボーン、IX(インターネットエクスチェンジ)、メトロ・エリア・ネットワークにおけるアグリゲーションやコアでの適用が想定できるという。大規模な商用データセンターや企業データセンターにおけるアグリゲーションスイッチ、あるいはコアルータとしての利用も考えられる。
村田氏は、現在10Gbpsの接続を複数束ねたリンク・アグリゲーションでトラフィックの急増をしのいでいるようなインターネット・バックボーンでは、特定のリンクにトラフィックが偏る現象で苦労しているケースが多いと指摘、100Gbps接続に移行することで、こうした問題を回避できると説明した。
また、「米国では32スロット版に焦点が当たっているが、日本では4スロット版も便利。16本の10Gbpsイーサネットを、2本の100Gbpsイーサネットに束ねることができる」と話した。
MLXeの搭載する最新スイッチOSでは、スイッチとしての可用性を高める仕組みとしてマルチシャーシ・トランキング機能を実現した。これは、例えば2台のスイッチを相互に直接接続しながら、下位ノードに対してたすきがけに接続しておき、この2台のスイッチのうちの1台がダウンしても、残りの1台で接続性を維持できるというもの。スイッチ間でパケット転送情報を同期することにより、これを実現している。レイヤ2スイッチで障害対策のために使われてきたスパニングツリー・プロトコル(STP)では収束に数十秒かかることがあるが、この機能ではフェイルオーバが瞬間的に行われる。また、たすきがけに構成されたすべてのリンクはアクティブになるため、通常時は帯域幅が2倍に使える。
MLXeは単一のリンク・アグリゲーション・グループに、64本の接続を束ねることができる。また、将来のSynchronous Ethernet利用にも対応できるタイミング機能を備えているという。
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