日本HPがインテルCPU搭載ブレード発表
ブレードサーバの次のメインテーマは接続の仮想化
2010/10/15
日本HPが10月14日に国内発表した「HP BladeSystem c-Class」用サーバブレードの特徴はズバリ、配線統合/接続の仮想化に関する機能の進化だ。インテルのサーバCPUであるXeon 5500/5600を搭載した新製品はイーサネットチップに代わり、CNA(Converged Network Adapter:統合ネットワークアダプタ)チップを備える。これを同社が7月に発表した「HPバーチャルコネクトFlexFacbric」と併用することで、ストレージネットワークトラフィックも含めた接続の仮想化/統合ができる。
HPは、HP BladeSystem用の接続仮想化技術「HPバーチャルコネクト」を世界中で展開してきた。しかし日本では、米国などに比べてその利用率は非常に低いと、日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 インダストリスタンダードサーバー事業本部 事業企画部 マネージャーの宮本義敬氏は話した。同社のブレードサーバにおけるネットワーク/ストレージ接続を分類すると、日本でのバーチャルコネクト接続ポート数は19%。対して、世界では29%、米国などの進んだ国では50%を超えていると同氏は言う。「日本は1年半から2年遅れている。このギャップを少しでも埋めるのがわれわれの仕事」(宮本氏)。
HPバーチャルコネクトは、サーバブレードのイーサネット接続を、シャーシの背面に設置するFlexFabricモジュール経由で外部に出す構成で、ネットワーク接続の仮想化を実現する技術。サーバブレードは、10Gbpsのイーサネット接続1本を、論理的に最大4本の接続に分離し、それぞれに帯域を設定して使うことができる。逆の言い方をすれば、サーバブレード単位で、配線をまとめ上げることができる。さらにFlexFabricでMACアドレスなどの情報割り当ても論理化することができるため、ブレードを入れ替えた場合にも設定のし直しは不要だ。各ポートをどの外部ネットワークに接続するかという設定も論理的に管理でき、システムを止めることなくいつでも変更ができる。
日本HPが7月に発表した新Flex FabricはFCoE(FibreChannel over Ethernet)に対応。これによってサーバブレードがCNAを搭載していれば、相互をこのストレージネットワークプロトコルで接続できるようになった。これで、ネットワークとストレージで別個の接続を行う必要がなくなった。新Flex FabricはFCoEをファイバチャネルに変換する機能も搭載している(FCoEをそのまま外部に出すことは、現在はできない。2010年末にはこれが実現の予定)。従って、イーサネットの経路上に、ネットワークトラフィックと並行してストレージトラフィックを通すことができるため、配線の統合が可能というFCoEのメリットを生かしながらも、外部に対しての接続を、これまでの構成から変更する必要はない。
この、「FCoEは使うが外から見れば変わらない」という仕組みが、余計な負担をせずに新技術を使えるという点で重要なポイントだと日本HPでは訴えている。
FCoEは配線統合にメリットをもたらすが、まだ関連標準の標準化が終わっていない。また、FCoEでは、その土台となるイーサネットも、CEEなどと呼ばれる次世代版に進化するため、経路に位置するスイッチをすべて入れ替える必要がある。HPバーチャルコネクトではこうした心配なしに、メリットだけを享受できるということになる。「接続変更も、サーバの運用担当者が、ネットワーク管理者に迷惑を掛けずにおこなうことができる」と日本ヒューレット・パッカード インダストリースタンダードサーバー事業本部 製品マーケティング本部 製品企画部の木村剛氏はいう。
AMDのCPUを搭載したサーバブレードにおけるCNA搭載製品は、7月に発表済み。今回のインテルCPU搭載ブレードの発表により、CNA搭載モデルが大きく広がった。
新製品の「HP ProLiant BL460c G7」は27万7200円)、「HP ProLiant BL490c G7」は38万7450円。また、40Gbps InfiniBandチップを搭載した「HP ProLiant BL2x220c G7」も同時発表された。134万850円 だが、これは2台分で、メモリなどが構成済みの価格。「HP BladeSystem Matrix 機能強化モデル」も合わせて発表された。
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