独自ハイパーバイザ上で稼働するアプライアンスも用意
ラドウェア、3つの選択肢でデータセンターの仮想化に対応
2010/11/01
日本ラドウェアは10月29日、データセンターやサーバファームで広がる仮想化への対応戦略を発表した。従来より提供してきた専用アプライアンスに加え、いわゆるバーチャルアプライアンスと、その中間に位置する専用ハイパーバイザー上で動作するバーチャルアプライアンスという3種類のラインアップを提供することで、顧客の多様なニーズに応えるという。
同社は、レイヤ4〜7にまたがる負荷分散や帯域制御といった機能を提供するアプリケーションデリバリコントローラ(ADC)製品を提供してきた。また2009年3月には、ノーテルネットワークスからアプリケーションスイッチ「Alteon」シリーズを買収し、ラインアップに加えている。
日本ラドウェアの代表取締役、秋元正義氏は「データセンターやサーバファームでは、仮想化による集約が進んでいるが、それらに対するトラフィックを処理する負荷分散装置では仮想化が進んでいない」と指摘し、今回発表したソリューションはその部分を解決するものだと説明した。具体的には、従来型のアプライアンスに加え、2つのタイプの仮想アプライアンスを提供し、パフォーマンスや可用性向上のために従来から提供してきた負荷分散の機能を、仮想化されたインフラにも提供していく。
1つは、複数の仮想ADCが稼働可能な専用ハードウェア「ADC-VX」だ。ラドウェアが独自に開発したハイパーバイザ上で、最大28台まで仮想ADCのインスタンスを動かすことができる。もう1つは、サードパーティが提供するハイパーバイザ上で動作する、仮想アプライアンス版のADCで、同社は「Soft ADC」と名付けている。まずVMware対応のSoft ADCをリリースする予定だ。
「ハイパフォーマンスな専用ADCからADC-VX、そして一般的なサーバ上で動作するSoft ADCという3つのパターンを提供することにより、『高いパフォーマンスが必要だ』『パフォーマンスはそこそこでも、迅速に展開したい』といった顧客の要望に応じて最適な選択肢を提供できる」(イスラエル ラドウェアのCOO、イラン・キーナンヒ氏)。
特徴は、単に負荷分散機能を仮想化して導入/運用コストを削減するだけでなく、データセンター全体の管理システムの中で、ADC製品群を管理できる仕組みを提供することだ。APIを通じて、VMwareの管理ツールのほか、HP OpenViewやIBM Tivoliといったサードパーティの管理製品から、ADCを管理できるようにする。例えば、仮想化されたサーバやネットワークリソースの追加に応じて、迅速に仮想ADCの作成やプロビジョニングといった作業を行い、迅速なサービス展開を支援するという。
ADC-VXの出荷は2010年12月の予定で、価格は2インスタンスの最小構成で1500万円から。Soft ADCの出荷は2011年1月の予定だ。
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