データセンターだけでなくエンタープライズ全体をカバー

アバイア、仮想化に対応する「VENA」アーキテクチャを発表

2010/11/24

 日本アバイアは11月24日、データセンター向けのハイエンドスイッチ「Avaya Virtual Services Platform 9000(Avaya VSP 9000)」を発表した。データセンターおよび企業全体の仮想化に対応するアーキテクチャ「Avaya Virtual Enterprise Network Architecture(Avaya VENA)」を構成する要素の1つとなる。

avaya01.jpg Avaya VSP 9000

 仮想化の普及にともない、仮想マシンの移動やプロビジョニングに柔軟に対応し、迅速なサービス展開を支援する機能がネットワークインフラに求められるようになってきた。これを踏まえてネットワーク機器ベンダはそれぞれに、こうした要望に応える機能を搭載しつつある。

 アバイアでは、レイヤ2ネットワークインフラの「Virtual Service Fablic」と、その上で動作する「Virtual Service Network」を構成して、仮想化に対応するアプローチを取る。

 Virtual Service Fablicは、IEEE 802.1aq(最短経路ブリッジング)技術によって、冗長性を備えたシンプルなネットワークを提供する。「VLANでは、設定ミスによってループや接続障害が起こるリスクがあり、理想的とは言えない」(米アバイア データソリューションズ プロダクトマネージメント担当バイスプレジデント ジャン・タージョン氏)。Virtual Service Fablicを複数のデータセンターにまたがって展開することで、仮想マシンが移動してもVLANなどの設定をやり直すことなく、ネットワーク側が設定を吸収するという。

 もう1つの特徴は、Virtual Service Fablic上で動作するサービス群だ。ERPをはじめとする業務アプリケーションをサポートするだけでなく、「Aura」など、アバイアが得意とするIPテレフォニーやユニファイドコミュニケーション、セキュリティなどのサービスを、「企業全体で使える仮想サービスとして提供」(タージョン氏)する。

 さらに、管理ツールを通じて、仮想インフラ全体の管理と可視化、プロビジョニングを行えるようにする。VMware vCenterともAPIを介して連携することで、サーバのプロビジョニングに連動してネットワーク設定も透過的に行われる仕組みを提供するという。

 タージョン氏はさらに「アバイアではVENAを、データセンターだけでなくエンタープライズ全体に拡張していく。例えば、キャンパスネットワークのクローゼットに設置されるスタッカブルスイッチやIP対応の監視カメラなどにも、Virtual Service Fablicを拡張していく」と述べた。すでにソフトウェアアップグレードによって「Avaya Etnerhet Routing Switch 8800」がVENAに対応しているが、2011年以降、スタッカブルスイッチの「ERS4500/5600シリーズ」なども、順次対応していく計画という。

 なおAvaya VSP 9000は、最大27Tbpsのバックプレーン容量を備え、10ギガビットイーサネット(GbE)を240ポートまで収容可能だ。2011年には40/100GbEにも対応する予定という。価格は最小構成で約1000万円から。

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(@IT 高橋睦美)

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