VCS対応の新スイッチを国内でも発表

「ストレージも含めた真のネットワーク統合」、ブロケード

2010/11/29

 ブロケード コミュニケーションズ システムズは11月26日、データセンター向けスイッチの新製品「Brocade VDX 6720シリーズ」を発表した。

 Brocade VDX 6720シリーズには、10ギガビットイーサネット(GbE)を最大24ポート搭載できる「Brocade VDX 6720-24」と、最大60ポートまで搭載できる「Brocade VDX 6720-60」の2モデルがある。いずれも米国では11月15日に発表済みの製品で、価格はオープンプライスだ。

 Brocade VDX 6720シリーズの特徴は、ブロケードが提唱する「Brocade Virtual Cluster Switching(VCS)」に対応していることだ。

 VCSでは、階層型を取っていた従来型のネットワークとは異なり、全スイッチがフラットにつながり、1つの論理ネットワーク「Ethernet Fabric(イーサネットファブリック)」を構成する。現在のLANで広く使われているSTP(Spanning Tree Protocol)ではなく、標準化作業中の「TRILL(TRansparent Interconnection of Lots of Links)」を用いてマルチパスルーティングを行い、冗長性の確保とパフォーマンス向上を実現する。

 もう1つの特徴は、イーサネットファブリック上で動作する仮想マシンの移動に対する追随性を備えていることだ。例えば、仮想マシンがある物理マシンから別の物理マシンに移動すれば、AMPP(Automatic Migration of Port Profiles)技術によって、関連するポリシーをはじめとするポートプロファイルも移動先に適用される。それも、ハイパーバイザに依存することなく適用されることが特徴だ。

 仮想化されたデータセンターの基盤を見据えて、多くのネットワークベンダが新しいアーキテクチャを模索し、提案し始めている。その中でブロケードのVCSの強みは、「ファイバチャネルの分野で培った技術や実績」(同社 代表取締役社長 青葉雅和氏)であり、「ストレージも含め、データセンターのネットワークを真の意味で統一できることが他社との違いだ」(同社 データセンターテクノロジー部部長 小宮崇博氏)という。

 このアーキテクチャは、単一のデータセンター内にとどまらず、リモートのデータセンター間を結ぶものに拡張されていくという。また今回は詳しく述べられなかったが、ブロケードでは、VCSの上で動的かつインテリジェントにセキュリティや負荷分散などのサービスを連携させる仕組みも提供していく計画だ。

(@IT 高橋睦美)

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