活性挿抜可能で運用性向上
日本HP、“1Uラックサーバのような”事業者向け高密度サーバ発表
2010/12/15
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は12月14日、サービス事業者向けの高密度サーバ新製品「HP ProLiant DL2000 マルチノード サーバー」を受注開始したと発表した。2009年から2010年にかけ、サーバベンダ各社はこの種のサーバを投入してきた。日本HPも、「HP ProLiant SL」というシリーズを持っており、DL2000はその後継というわけではない。新製品は、より普通に使えることを目指しているのだという。
サービス事業者に向けたサーバ製品があるにもかかわらず、「結局サービス事業者向けに一番多く売れているのは1Uラックサーバ」(日本HPの中井大士氏)。そのため1Uサーバに近い使い勝手を実現しながら、密度、省電力性、運用性を高めた製品を出したいのだという。
DL 2000シリーズは2Uの高さのシャーシに、4枚あるいは2枚のノード(コンピュータボード)を装着できる製品だ。すなわち、一般的な1Uサーバの2倍の密度ということになる。SLシリーズも同じ密度だが、例えばハードディスクドライブは各ノード上に組み込む形になっているため、外から交換ができない。一方DL2000では、シャーシ(製品名は「HP ProLiant e2000シャーシ」)の前面にハードディスクケージ(スロット)が用意され、ここにハードディスクカートリッジを装着する構造になっている。このため、稼働を止めずに外から抜き差しが可能だ。
ハードディスクケージは、8基の3.5インチSATA/SASディスク、16基の2.5インチSATA/SASディスク、24基の2.5インチSATA/SASディスク、の3種類の構成から選択できる(SAS利用時にはアレイコントローラを別途購入する必要がある)。なお、このハードディスクケージに装着されたハードディスクドライブは、数を均等に分割して各コンピュータボードに割り当てるようになっている。複数ボードからの共有はできない。
ノードは「HP ProLiant DL170e G6 1Uノード」「HP ProLiant DL170e G6 2Uノード」の2種類がある。どちらも標準ラックの2分の1の幅にXeon 5600番台を装着するソケットを2つ備え、RAMは16スロットに最大192GBを搭載できる。ノードは稼働を止めずに1枚ずつ抜き差し可能。電源装置とファンはシャーシ側にあり、これを複数のノードで共有することによって省電力化を図っている。1UノードはPCIe×16の拡張カード1枚固定、2Uノードでは3種のPCIeライザーカードが選べ、最大3つのPCIeスロット構成ができるという。
DL2000では、上記のようにハードディスクとノードを外から活性挿抜できるようにしているのが、運用性向上のための最大の工夫だという。また、シャーシ単位で最大電力消費量に上限を設定できるキャッピング機能も備えている。
最小構成価格は1Uノードの場合99万9600円。これにはシャーシ、1Uノード4枚、8基構成のハードディスクケージ(ハードディスクはなし)、2GBのRAMが含まれる。
日本HPは併せて、オープンソース・ソフトウェアの利用に関する技術サポートサービス、「オープンソース・エキスパート・サービス for サービスプロバイダー」を発表した。これはすでに一般向けに提供しているオープンソースのOSやミドルウェア、アプリケーションの開発・構築・運用を支援するサービスを、サービス事業者向けにパッケージングしたもの。基本は9〜17時の電話・メールによる支援だが、オンサイト支援のオプションもある。料金はコンピュータの台数にかかわらず、サポート対象とサポートエンジニアの工数に応じて設定される。最低価格は367万5000円。これは、目安として対象が5製品程度、180時間のエンジニア工数の場合だ。
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