計画停電にともなう誤動作が原因
NICTのNTPサーバで1月23日に障害、誤った時刻を配信
2011/01/28
情報通信研究機構(NICT)は、インターネットエクスチェンジポイント(IX)で運用しているNTPサーバで、1月23日に2回にわたって誤った時刻を送出したことを明らかにした。
NTPはインターネットを介してPCの時刻を調整するためのプロトコルだ。NTPサーバは、stratum 1というNTPサーバを頂点に階層的な構造をなしており、下位のサーバは同じ階層内か、1つ上の階層のNTPにアクセスし、時刻を同期させていく。これにより、負荷の集中を防ぎながら時刻同期の精度を高める仕組みだ。
NICTでは日本標準時に直結したNTPサーバ(stratum 1)を運用している。2010年2月からはこれに加え、時刻配信の精度と信頼性の向上を目的に、IXに直結したNTPサーバの運用を開始した。今回障害が発生したのは、このIX側のNTPサーバだ。
NICTによると、1回目の障害は10時19分から12時18分にかけて発生し、この間、3827万2992秒(約443日)ずれた時刻が送出されていた。2回目は16時17分から17時20分までで、3829万4500秒遅れた時刻が送出されていたという。つまり1年以上ずれた時刻が配信されていたことになる。
NICTによると原因は、施設の計画停電にともないネットワーク接続が一部停止し、それによって機器の誤動作が発生したため。NICTでは停電に備えてバックアップ電源などを用意していたほか、過去の計画停電時にはこのような障害は発生していなかったことから、さらなる詳細を調査しているという。
NTPクライアントによっては、許容範囲を超えた、ローカルの時刻とあまりにずれた時刻(48時間以上など)が配信された場合はそれを無視する実装になっているため影響はない。だが、一部のオンラインゲームでは、誤った時刻をそのまま受け取ったため、キャラクターなどが正常に表示されないといった障害が発生していたという。
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