SAN/NASの統合と「お手頃」価格がテーマ
EMC、新ミッドレンジ/ローエンド・ストレージを国内発表
2011/02/16
EMCジャパンは2月15日、米国本社が先月全世界で発表した同社のミッドレンジ/ローエンド・ストレージシリーズ「EMC VNX」「EMC VNXe」の国内展開について発表した。VNXは即日販売開始、VNXeは4月に販売開始の予定。
米国本社による発表についての記事でも取り上げたが、VNX/VNXeは、EMCで従来ミッドレンジ/ローエンド市場をカバーしてきたブロックストレージの「EMC CLARiX」とNASの「EMC Celerra」を、1つのプラットフォームに合体し、いわゆる「ユニファイド・ストレージ」に仕立てたもの。これまでブロックストレージとNASを別製品として販売してきたが、1製品で双方のニーズに包括的に応えることができる点をアピールする。
EMCジャパン 代表取締役社長の山野修氏は、同社ミッドレンジ/ローエンド製品の刷新の背景の1つとして、ストレージ市場の構造変化がますます明らかになってきたことを挙げる。外付けストレージ市場では、メインフレーム用ストレージをはじめとしたハイエンドに代わり、ミッドレンジ/ローエンドが比率を高めている。また、企業ではサーバ仮想化を活用したサーバへの投資の効率化に続き、ストレージへの投資の効率化が求められるようになってきた、と山野氏はいう。ファイルサーバ/ファイルストレージについても、部門・部署単位でばらばらに導入しているケースが多いが、これらを統合し、効率化することが求められているという。
VNXはインテルのXeon 5600番台を採用、バックプレーンは6Gbps SASにするなど基礎体力を強化、従来製品の機能をすべて引き継ぎながら、最近発表した管理ツール「EMC Unisphere」によって、企業が自社で管理できるという運用の容易性を訴えている。ただ、NAS機能を利用するにはX-Bladeというブレードを追加する仕組みは従来と変わっていない。
VNXは最下位製品のVNX5100を除き、すべてファイバチャネル、iSCSI、FCoE、CIFS、NFSなどに対応(VNX5100はSANストレージ機能のみ)。最上位のVNX7500は搭載可能ドライブ数が最大1000、最大物理容量は約2PBだ。
VNXでは、シン・プロビジョニング、データ圧縮、重複除外、NASプロトコルライセンス、SANコピー機能を標準で提供。その他の付加価値機能は目的別のパック形式とし、選びやすくしている。EMCが特にVNXの特徴的な機能として挙げるのはデータの自動階層化だ。SSDやSAS、ニアラインSASを組み合わせ、データアクセス状況に応じて、データがこれらの間で自動的に再配置される。SANとNASの双方に対応する自動階層化は、現在EMCだけが提供できるという。なお、この自動階層化機能は仮想ボリュームに対して設定でき、シン・プロビジョニングを生かした形で活用できる。
「お手頃」な価格設定が今年のテーマであるEMCジャパンは、ブロック/NAS双方に対応したVNXの最下位機種「VNX5300」を、最小構成価格約211万円と発表している。VNXはユニファイド・ストレージだが、NASのみ、SANのみ、SANとNAS双方の3とおりの構成があり、どれにするかによって価格は異なる。今回は、NASとしての利用を推進するため、NASのみの構成を最も安価に設定した(具体的にはSAN+NAS統合構成が271万3620円、SANのみ構成が237万9615円、NASのみの構成が211万4490円)。既存販売パートナーとの協業を強化するほか、新規パートナーを開拓し、拡販するという。
VNXeはNFS、CIFS、iSCSIに対応。管理ソフトのUnisphere、ボリューム仮想化、データ圧縮、重複除外、シン・プロビジョニング、スナップショット、NASライセンスを標準で搭載する。Unisphere上ではこの製品向けに、ウィザードを使った容易な構成を可能にする。ストレージ管理がよく分からない人でも、アプリケーションの利用規模などを入力するだけで、半自動的にストレージが準備できるという。価格や販売体制については4月に詳細を発表するとし、まだ公表していない。だが、ディストリビューターを軸とした販売モデルとなる予定という。
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