オブジェクトストレージの市場は急拡大
ネットアップ、クラウドCTOが株価急落の原因を説明
2011/02/24
「ネットアップのストレージ製品におけるフラッシュメモリ対応が、先週のネットアップの株価急落の原因になった」。ネットアップ日本法人が2月23日に開催した技術戦略説明会で、米ネットアップ クラウドCTOのヴァル・バーコビッチ(Val Bercovici)氏はこう話した。「フラッシュメモリ・キャッシュに、想定の4倍の需要があり、市場は当社が注文を満たすのに十分な供給を確保できないと見たようだ」。
ストレージにフラッシュメモリあるいはSSDを組み込んで、ハードディスクドライブと併用し、一部のデータの高速アクセスニーズ応える取り組みが、主要ストレージベンダの間で広がっている。そのやり方は2つに大別できる。ストレージ装置のコントローラには通常DRAMキャッシュが搭載されているが、フラッシュメモリを大容量の2次キャッシュとして追加して使う方法が1つ、もう1つはSSDをハードディスクより高速な1つの記憶階層として組み込むやり方だ。後者にはSSD、SASドライブ、SATAドライブといった複数記憶階層間でのデータの振り分けを、人がやらなければならないものと、アクセス状況の監視により、ストレージが自動的に実行してくれるものとがある。ストレージ側で行う技術は、「自動階層化管理」などと呼ばれる。
ネットアップではフラッシュメモリ・キャッシュとSSDの双方を提供しているが、キャッシュ技術である「Flash Cache」の利用を推奨しており、これが顧客に好評だと、バーコビッチ氏は話した。その最大の理由は「コスト効率が高いから」。アクセスが集中するデータが特定できるなら、SSDという新たな記憶階層を導入することも選択肢となる。しかし、一般的な利用では特定できないケースが多く、大容量キャッシュで対応するのが最も効率的だという。キャッシュとして使えば、導入したフラッシュメモリの容量を、常に最大限活用できる。しかし、新たな記憶階層としてSSDを使う場合、導入した容量が常に100%使われることは考えにくい。
バーコビッチ氏は、SSD+自動階層化管理では、データの自動移動のためのオーバーヘッド(処理負荷)がかかり、遅延も発生しやすいと話した。同様なキャッシュ・ソリューションであるEMCの「FAST Cache」との比較では、ネットアップの場合、データを4Kバイトというきめ細かなブロック単位で管理している点、重複排除に対応している点、モデルによっては8TBまで搭載できる点などを優位性として挙げた。また、ネットアップのFlash Cacheは、「SPEC SFS2008、SPC-1でパフォーマンスが実証されている唯一のフラッシュ・ストレージ・ソリューションだ」と強調した。
オブジェクトストレージ「StorageGRID」をどう展開する?
米ネットアップは2010年、オブジェクトストレージ企業の米Bycastを買収、「NetApp StorageGRID」として販売開始している。バーコビッチ氏はクラウドおよびコンテンツデポ(コンテンツストレージサービス)の急速な伸びを指摘、さらにそのデータの95%は非構造化データになるとの予測を示した。こうしたデータは、ファイルシステム経由よりもオブジェクトとしてアクセスするほうが効率的で、オブジェクトストレージのニーズは高まっていくだろうと話した。
StorageGRIDはすでに250以上の顧客に導入されているという実績が1つの売り。特に医療関連での実績が多いという。今後は、プライベート・クラウド・ストレージ・サービス、パブリッククラウド、デジタルメディア・コラボレーションなどの市場を開拓していく。販売サイクルは、ネットアップの従来のビジネスよりも長期化するが、安定的な売り上げが見込めるという。
サービス事業者では、オープンソースのストレージ・ソフトウェアを使うケースもある。「技術に長けた事業者ならオープンソースを使いたがるだろうが、技術よりも事業に集中したい事業者もある。当社は、そうした事業者を相手にしていきたい」とバーコビッチ氏は付け加えた。
なお、米ネットアップは、仮想化インフラのパフォーマンス/障害解析やキャパシティ・プランニングを支援する管理ツール「BalancePoint」という製品を開発してきた米Akorriを2010年に買収した。BalancePointはストレージ周りの解析が得意だが、サーバ、ネットワークを含めてエージェントレスな監視のできる便利なツールだ。どんなベンダのストレージやサーバも管理対象とすることができる。しかし、バーコビッチ氏によると、ネットアップは今後、あくまでも自社製品との組み合わせで、この管理ツールを提供していくという。シスコ、ヴイエムウェアとの参照アーキテクチャに含めたり、サービス事業者向けのパッケージに組み込んだりといった展開になるという。
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