高まるネットワーキングの重要性

クラウドサービスの「次」を語るシンポジウムが3月7日に開催

2011/03/04

 クラウドサービス、特にIaaSの次の進化は、データセンター間、あるいはIaaS事業者間の連携にあると考えている人々は多数存在する。3月7日に実施されるクラウドネットワークシンポジウムは、こうした考え方がどのようなスピードで現実化するかを探る場となりそうだ。

 基調講演に登場するシェン・リャン(Sheng Liang)氏がCEOを務めるCloud.comは、データセンターをクラウド化するオープンソースのリソース制御ソフトウェア「CloudStack」を開発している。このソフトは事業者だけでなく、企業が社内のITインフラ管理に利用することもでき、事業者の複数データセンター間と企業の社内データセンターを連携させたハイブリッド・クラウド環境の運用までを視野に入れている。

 利用する側にとっては、複数のクラウドサービス事業者を、いつでも入れ替えが可能な形で、臨機応変に使えるのが理想だ。例えば特定のデータやアプリケーションが必要とするパフォーマンスやセキュリティ要件に応じ、これらを満たすクラウドサービス事業者を(もちろん、必要に応じて人による判断を加えながらも)自動的あるいは半自動的に選択し、あるいは組み合わせて利用できるのが一番望ましい。これを実現するには、事業者間で共通なリソース管理インターフェイスを定義し、その一環として求められるサービスレベルを各事業者でどのように実装するかについての標準を確立することが求められる。要件の洗い出しや標準の確立については、さまざまな取り組みが進められている。日本におけるこうした取り組みとしては、例えばセミナーでも慶應義塾大学の青山友紀教授が説明する「グローバルクラウド基盤連携技術フォーラム」がある。

 しかし、それだけでは十分ではない。複数のデータセンター、複数の事業者、そして企業の社内データセンターを結び、仮想的なグローバルデータセンターとして運用できるようにするためには、ネットワーク上の課題を解決する必要がある。例えば大容量のデータをデータセンター間でライブ移動する必要が生じたら、必要な帯域幅の確保や何らかのレベルでのセキュリティ確保が、オンデマンドで実現できる必要がある。こうしたネットワークリソース利用の自動制御は、ネットワーキングにかかわる人々にとっての新たな地平といえる。

 パネルディスカッションには、青山教授をはじめ、楽天 技術理事の吉岡弘隆氏などが登壇する。クラウドネットワーキング、そしてクラウドサービス全般について、さまざまな意見がたたかわされるだろう。

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