BYO-CからBYO-3への流れを強調
XenDesktopは前年比5倍以上の売り上げ、シトリックスの2011年は
2011/03/08
シトリックス・システムズ・ジャパンは2月末、日本におけるビジネスの状況と戦略を説明した。これによるとシトリックスは2010年、世界で過去最高の売り上げを達成。日本ではXenDesktopの売り上げが前年比500パーセント以上と、世界最高の伸びを示したという。マイクロソフト、富士通、シスコシステムズをはじめとする企業との協業を通じ、ニッセイ情報テクノロジーなど、大口案件が増加している。
デスクトップ仮想化について、同社代表取締役社長マイケル・キング(Michael King)氏は、「この18カ月、(デスクトップの)迅速な展開や柔軟性、俊敏性に注目が移ってきた。顧客との会話ではビジネスに対するインパクトが話題に上ることが多くなってきた」と話した。
2011年のビジョンは「(一般企業における)経営、IT、社員すべてにとって、より優れた管理、サービスとコントロール、柔軟性に飛んだ仕事環境を提供すること」。1つのキーワードは「BYO-3」だという。
シトリックスは2010年、世界的に「BYO-C」を提唱してきた。Bring Your Own Computer、つまり従業員が自身のPCを仕事のために使うワークスタイルだ。若い社員は会社から押し付けられるコンピュータに満足しない。自分の好きなパソコンを使いながらも、業務を安全な環境で行える手段を、デスクトップ仮想化/シンクライアント技術が提供するということだ。今年シトリックスが提唱するのは「BYO-3」。3とは、PC、スマートフォン、タブレット端末だ。外出先での最新の業務関連情報のチェック、客先でのプレゼンテーション、見積/契約支援など、業務でスマートフォンやタブレット端末が生かせる場面は多い。シトリックスのシンクライアント・ソフトウェアはさまざまな端末に対応している。このことを生かし、企業は社員の所有する端末に安全な業務システム利用環境を提供することで、社員の生産性を高められるというのが同社の新たなメッセージの1つだ。一方で、企業が従業員に供給する端末は、よりシンプルなシンクライアント端末になっていくだろうという。
シトリックスは2011年、ハイタッチ営業やコンサルティングを強化、教育にもさらに力をいれるという。一方で、パートナー支援を拡充する。また、同社はCitrix XenDesktop 5のライセンス形態の変更とトレードアッププログラムを発表。XenDesktop 5の上位エディションに同時接続ユーザー・ライセンスを追加し、従来の端末台数に基づくライセンスでは割高になるケースに対応した。トレードアッププログラムは、ソフトウェア更新サービスが失効したCitrix XenAppライセンスのすべてをXenDesktop 5に移行する場合に、割安な価格で導入できるというもの。これにより、以前シンクライアント製品を導入したものの、利用が拡大していない顧客に対する訴求を行う。
マーケティング&ビジネスディベロップメント本部 本部長の伊藤利昭氏は、日本の場合、BYO-3以前にBYO-Cについての啓蒙が必要とし、今年はこれに力を入れていくと話した。
シトリックスは一方で、DaaS、IaaSに関するクラウドサービス事業者への働きかけを強めている。日本でも、特にDaaSにいてはNTTコムウェア、TIS、NTTドコモなど、サービス提供事業者が増えている。IaaSについても、Open vSwitch、OpenStackなどのオープンソース・コミュニティとの連携強化で、オープンなIaaS構築技術の利用を促進していくという。
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