Data Protector 6,2はVMware関連機能も強化

日本HPのバックアップソフト新版はクライアント無償

2011/04/07

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は4月6日、バックアップ・ソフトウェア「HP Data Protector software 6.2」を発表した。この最新版は、クライアントライセンスを無償としたことによる経済性と、VMware環境でのバックアップ/リカバリ機能の強化が最大の特徴だ。

 Data Protector 6.2はクライアントライセンスが不要。基本的なバックアップ機能はバックアップサーバ(Media Agent)単位でチャージされるのみという。従って、サーバの台数が増えても支払うライセンス料は不変だ。WindowsとLinuxが混在していても、追加料金はない。VMware環境では、統合バックアップを行いたい場合には「オンラインライセンス」を追加する必要があるが、こちらは仮想化ホスト(物理サーバ)単位でライセンス料がかかってくる。しかし、保護対象となる仮想マシンの数だけライセンス料を支払わなければならないケースと比べれば、経済的だと日本HPでは主張する(統合バックアップをせずに、仮想マシンごとにクライアントソフトウェアを導入するのであれば、オンラインライセンスは不要で、仮想マシンの数にかかわらずライセンス料は一定)。

hp01.jpg ライセンス体系変更による経済性を訴える

 「IT業界ではコスト削減圧力が強く、(日本HPの)パートナーにとってもSIサービス料を下げざるを得ない。しかしソフトウェアライセンスの値段は下がらない。バックアップソフトもこれに含まれる」と、HPソフトウェアソリューションズ統括本部 インフォメーションマネージメントソリューション事業部事業部長の春木菊則氏は話した。保護対象に比例しないライセンス料金体系で、この状況を変えるという。

hp02.jpg Data Protector software 6.2の主要な新機能

 VMware環境での機能強化については、統合バックアップのためにヴイエムウェアが提供する「vStorage API for Data Protection」に対応。変更ブロックのトラッキングに基づく増分/差分バックアップが可能なほか、仮想マシンのバックアップとリカバリの並列実行も実現している。

 仮想化環境のバックアップ作業は非常に簡単になった。仮想マシンが自動的にリスト表示され、保護対象としたい仮想マシン(仮想ディスク)やそのディレクトリのチェックボックスにチェックを入れれば、バックアップ設定が完了する。

 バックアップデータのなかから特定のアイテムのみをリカバリできる「Granular Recovery Extension(GRE)」機能も、VMware環境での使い勝手が良くなった。GREの画面で、リカバリを行いたい仮想マシンのバックアップイメージを選択、特定のファイルを選んでクリックすればリカバリができる。

 Data Protectorが以前より備える「ゼロダウンタイムバックアップ(ZDB)」機能(アプリケーション対応の無停止スナップショット管理機能)では、3PAR、EMC、NetAppのストレージに対応した。また、「インスタントリカバリ」(スナップショットを活用し、スクリプトを作成することなく1画面でアプリケーションを完全に復元できる機能)では、HPの「StorageWorksP4000」に新たに対応した。

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(@IT 三木泉)

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