USB接続ストレージへシステムを丸ごとバックアップ
シマンテック、バックアップ新製品でシステム保護を改めて強調
2011/04/27
シマンテックはイメージバックアップ製品の名称を変更、新機能を加えて5月9日に提供開始する。同社が4月26日に発表した。
これはシマンテックが「Symantec Backup Exec System Recovery」と呼んできたイメージバックアップ・ソフトウェア。データバックアップ・ソフトウェアの「Backup Exec」とかぶる名前を、「Symantec System Recovery」と改めた。これにより、「Backup Exec」「Net Backup」と並ぶ、同社バックアップ製品の3本柱としての性格をより鮮明に打ち出した。また、企業規模にかかわらず、活用できることを強調したいという。
名称変更の背景には、Backup Exec System Recoveryが伸び悩んでいたことがあるという。ただし日本ではBackup Execと並ぶところまではいかずとも、順調な売り上げを示しており、同製品のグローバルの売り上げの2割を日本市場で稼ぎ出しているとする。
新製品「Symantec System Recovery 2011」は、これまでと同様に簡単な操作で、システムを丸ごとバックアップできることを強調。災害対策の観点からも、特に中小企業などでシステム保護が行き届いていない状態の改善を目指す。
新バージョンではUSB接続のストレージを、リカバリ用の起動ディスク兼バックアップストレージとして利用できるようになったことが大きな変更点。システム復旧のために記憶媒体を複数入れ替えて作業する必要がなくなり、1つのバックアップ媒体からすべての復旧作業を実行できるようになった。USB接続の小型ストレージをシステムバックアップ媒体として利用すれば、普段は机の引き出しにカギをかけて収納しておき、災害の発生時などには、これを持って逃げるなど、可搬性が向上する利点がある。
新製品ではまた、複数のバックアップ対象に対する作業を集中的に実行できる管理ツール「System Recovery Management Solution」(Basicを除くエディションで無償提供)を、Windows Server 2008 R2 64ビットにインストールできるようになるなどの改善を加えた。
Symantec System Recoveryはもともと、異なる機種のサーバへのリカバリをすることもできる。このため、システム移行ツールとして使われることも多いという。また、バックアップを、仮想マシン形式のデータとして行うことができる。この場合、リストア作業を実行せずに、サーバ仮想化環境上で起動するだけでシステムを復旧できる。さらに、ローカルのストレージ媒体へのバックアップに加え、FTPによるリモートバックアップなど、オフサイト(保護対象のある拠点以外)へのバックアップ先を2カ所まで指定できるようになっている。
価格は、基本的なWindowsサーバ対象のバックアップ機能を持つ「Basic Edition」が1サーバ9万7200円。これに増分バックアップやオフサイトコピー、ファイル/フォルダ単位のバックアップ、System Recovery Management Solution機能などを加えた「Server Edition」が1サーバ15万3800円。サーバ仮想化環境で仮想マシンを対象としたバックアップ機能を提供する「Virtual Edition」も、仮想マシン数にかかわらず物理サーバ単位の価格設定で、1サーバ43万7300円。
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