2012年中ごろに「ホットスポット認定プログラム」開始を目指す
認証やプロビジョニングも透過的に、Wi-Fiアライアンス
2011/05/16
Wi-Fiアライアンスは5月16日、最近の活動に関する説明会を開催し、「ホットスポット認定プログラム」(Wi-Fi CERTIFIED Hotspotプログラム)について紹介した。
Wi-Fiアライアンスはもともと、PCや携帯電話、家電製品といった無線LAN対応製品の相互接続性の検証、認定を行ってきた団体だ。2000年3月以来、1万種類を越える製品を認定している。802.11nの相互接続性を検証する「Wi-Fi CERTIFIED 11n」に絞っても、日本国内の認定数は303件に上るということだ。
これまでのWi-Fi CERTIFIEDは、「Wi-Fiで接続できる」という技術面での検証に重きを置いていた。ホットスポット認定プログラムはこれに加えて、認証やプロビジョニングといった側面も含め、シームレスに公衆無線LANサービス(ホットスポット)を利用できることを検証、認定するという、接続プロセスにも踏み込んだプログラムとなる。
現時点では、異なる事業者が提供するホットスポットをまたいで利用する場合、個別に設定作業や認証を行う必要がある。Wi-Fiアライアンスのマーケティング ディレクター、ケリー・デイヴィス・フェルナー氏によると、ホットスポット認定プログラムの狙いは、「電源を入れればすぐにつながる携帯電話のように、ユーザーに対し透過的なホットスポットを実現すること」だ。
例えば、ユーザーがいったん認証を行えば、機器やサービスプロバイダーを問わずデバイスが自動的にネットワークを検出し、ユーザー情報と事業者のポリシーに基づいて最適なプロビジョニングを適用する、といったイメージだ。SIMカードなどを用いた認証に基づいてWPA2などの暗号化技術を適用することで、セキュリティ面の向上も図れるという。
フェルナー氏は、ホットスポット認定プログラムによって、エンドユーザーにはユーザーエクスペリエンスの向上がもたらせるほか、サービスプロバイダーにはローミング基盤やデータ負荷のオフロードを、また機器メーカーには開発コスト削減といったメリットを提供できると説明した。Wi-Fiアライアンスは現在、ホットスポット認定プログラムの技術仕様の定義を進めており、完了次第、テストプランの策定に取りかかる。早ければ2012年中ごろから認定テストを開始する計画だ。
なお同アライアンスはほかに、オーディオ/ビデオ伝送に関する「Wi-Fi Display」や、IEEE 802.11acをベースにした、5GHz帯を用いて最大1Gbpsの通信を可能にする「Wi-Fi VHT」といった仕様の策定にも取り組んでいるという。
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