XenServerとの相乗効果をウリの1つに
米シトリックス、OpenStackベースのクラウド運用ソフトを今年中に提供へ
2011/05/26
米シトリックス・システムズはOpenStackベースのクラウド構築/運用ソフトウェアを今年中に提供開始する。同社は5月25日(米国時間)、サンフランシスコで開催中の「Citrix Synergy 2011」で、これを明らかにした。
シトリックスはこの製品を「Project Olympus」というコードネームで呼んでいる。Project Olympusは、「シトリックスが認定した」OpenStackに、「クラウドに最適化した」XenServerをパッケージしたものになるという。同社は一方で、Project Olympusはハイパーバイザ非依存を目指しており、VMware ESX、Hyper-Vにも対応するとしている。
Project Olympusは、OpenStackの単なるディストリビューションなのだろうか。どこで他のOpenStackベースのクラウド運用ソフトと差別化するのか。この点について米シトリックス社長兼CEOのマーク・テンプルトン(Mark Templeton)氏にたずねると、次のような答えが返ってきた。
「現在のところ、これは製品を作ることの意思表明と位置付けの発表だ。しかし、これはXenServerに最適化されたOpenStackのディストリビューションであり、ユニークな付加価値を提供する。そうでなければ単なるディストリビューションになってしまうからだ。価格体系は従来型の設置型永続ライセンスではなく、クラウド的なものになるだろう。これについてまだ決定はしていない。詳細は今年中に明らかにする」
すなわち、Project Olympusはマルチハイパーバイザ対応だが、XenServerとともに導入することによって最大のメリットが得られるようにしていくということのようだ。もちろんそれだけではない。テンプルトン氏はProject Olympusで、クラウドにおいて今後重要性が高まるネットワーキング関連の機能に注力するとも話した。また、この製品を、他の技術ベンダとのエコシステムを広げるとともに、クラウド事業者がそれぞれ差別化できるようなものにしていきたいとしている。
シトリックスのクラウドに関する戦略は、自らが創設メンバーの1社であるOpenStackプロジェクトのコードを挟むようにして、クラウドの運用を円滑化したり、用途を広げたりする製品や技術を提供していくことにある。
シトリックスはProject Olympusを、同社が今回のイベントで発表した他のクラウド関連製品、すなわち「NetScaler Cloud Gateway」「NetScaler CloudBridge」と親和性の高いものにしていく意向だ。
シトリックスはProject Olympusの早期アクセスプログラムの受付を、同日開始した。このプログラムに関連して、米デルは同社のサーバCシリーズ上でのProject Olympusの利用に関するレファレンス・アーキテクチャを提供。大規模ホスティング/クラウド事業者でOpenStackプロジェクトの創設者でもある米RackspaceはCloud Buildersという新たなOpenStackクラウド構築支援ビジネス部門を立ち上げたが、この部門がProject Olympusの早期アクセスプログラムでもサポートを提供するという。
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