企業、事業者双方に向け新世代製品を推進
さくらインターネットも採用のブロケード、今後の取り組みは
2011/06/01
ブロケードコミュニケーションズシステムズは6月1日、翌日の同社プライベートイベント開催に先立って、5月に米国本社が発表した戦略および新製品群と、国内事業戦略を紹介した。さくらインターネットがクラウドサービスの基盤として、同社のデータセンタースイッチ「Brocade VDX 6720」を採用したことも発表した。
「プライベート・クラウド、パブリック・クラウド、ハイブリッド・クラウドにわたり、クラウドに最適化されたネットワーク機能を提供していく」というのが、ブロケードの基本的な方向性。オープンな環境を保ちながら、これを実現していくという。
オープンさへの取り組みの1つの表れが、OpenFlowへの対応およびOpenStackとの連係だ。OpenFlowについては、2012年に対応の予定。ただし、これは同社のすべてのイーサネットスイッチでOpenFlowによる通信ができるようにするという意味ではない。マルチテナントクラウドにおけるテナント間の通信の分離を、現在のVLAN技術を使って行うと数に限界があるが、この限界を超えたい場合に利用することを想定しているという。
プライベート・クラウドとパブリック・クラウド、あるいはパブリック・クラウド間のストレージデータ接続については、VPLSとFC over IPを組み合わせ、この際にマルチキャスト/ブロードキャストを制御する仕組みを提供するつもりのようだ。
国内事業戦略に関し、ブロケード 代表取締役社長の青葉雅和氏は、新世代データセンタースイッチとして同社がいち早く市場に投入したVDX 6720について、ファイバチャネルの技術があったからこそ実現できたとアピール。また、独自のASICを有していることが重要な差別化要因と話した。VDX 6720はさくらインターネットに先立って、アイネットにおける採用も発表されており、実績ができつつある。ブロケードでは今後半年の間に、この製品の導入加速に向けたさまざまな取り組みを実施。例えばVDX 6720のデモを1万人に閲覧してもらうプロジェクトを始めるという。また、これまでのパートナー制度を超えて、サーバ/ネットワークの2つの側面をカバーできるパートナーをリクルートし、新たなパートナー制度を年内に立ち上げるという。サービスプロバイダ向けには、100Gbpsモジュールの導入促進、そしてIPv4からIPv6への移行支援に力を入れるという。
ブロケードが紹介した新製品は次のとおり。
プライベート・クラウド、つまり企業ネットワークについてはデータセンタースイッチのVDXが、新たなレイヤ2ネットワーキングのあり方を体現した製品として重要な役割を果たすが、今回はストレージ・ネットワーキング関連で16Gbpsファイバチャネル対応の新製品を紹介した。
ブロケードは今後も、ファイバチャネルがITインフラに欠かせない構成要素であり続けるとしている。SANバックボーンスイッチの「Brocade DCX 8510 Backbone Switch」では16Gbpsを最大384ポート構成可能。シャーシ間接続のシンプルさと低遅延も特色という。ボックス型SANスイッチの「Brocade 6510 Switch」は 24、36、あるいは48ポートの構成で、各ポート最大16Gbpsのファイバチャネル接続ができる。すなわち768Gbpsの交換容量を備える。サーバ用CNA(統合ネットワークアダプタ)の「Brocade 1860 Fabric Adapter」は16Gbpsファイバチャネルと10Gbpsイーサネットに対応。SR-IOVに対応済み。
パブリッククラウド(サービスプロバイダ)向けにはコアスイッチ「Brocade MLX」用に100Gbpsイーサネットモジュールを出していることが象徴的だ。今回の新製品はプロバイダ・エッジ用ルータの「NetIron CER」とアクセススイッチの「Brocade 6910」。NetIron CERは150万のIPv4ルートに対応、Brocade 6910は12ポートの1Gbpsイーサネットポートを備えた製品。
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