ApplicationHAの新バージョン
DRの要となるアプリケーション復旧を強化、シマンテック
2011/06/20
シマンテックは6月17日、災害復旧(DR)機能を強化した「Symantec ApplicationHA」の新バージョン、「Symantec ApplicationHA 5.1 SP2」を世界に先駆け日本で発表した。ヴイエムウェアの「Site Recovery Manager」と連動し、アプリケーションを正しい順序で復旧できる。
シマンテックが昨年秋に発表したApplicationHAは、VMwareHAの「欠点」を補う製品だ。VMwareHAは、再起動型の仮想化環境可用性向上機能。ある仮想マシンに障害が検知されると、この仮想マシンを再起動することで復旧を図る。物理サーバで障害が発生した場合は、このサーバで動いていた仮想マシンを、別の物理サーバ上で立ち上げ直すことができる。しかしVMwareHAは物理サーバや仮想マシンのOSの障害には対応できるものの、仮想マシン上のアプリケーションだけがフリーズしたり、ダウンしたりした場合には対応できない。これを補うのがApplicationHAだ。
ApplicationHAはアプリケーションの動作状況を常に監視し、障害が発生すると、このアプリケーションの再起動を実行する。それでも障害が解消しない場合、VMware HAに通知し、仮想マシン自体を再起動させることができる。対応アプリケーションは、WindowsではSQL Server 2008/2008 R2、Exchange 2010、IISなど、LinuxではOracle、SAP、WebLogicなど。
今回の新バージョンでは、VMware HAに加えて、ヴイエムウェアのDR製品である「Site Recovery Manager」(SRM)との連携が実現した。
SRMは本番サーバ拠点がダウンすると、遠隔拠点に複製されているデータを用いて、遠隔拠点でこれらのサーバを再起動できる。ApplicationHAではまず、この遠隔拠点での再起動後も、ApplicationHAのアプリケーション稼働監視が機能するようになった。また、SRMは仮想マシンを事前に設定された順序で再起動できる機能を備えているが、ApplicationHAでは例えば単一の仮想マシン上で複数のアプリケーションが稼働する場合、これらを事前に設定された順序で再起動できるようになった。
もう1つの大きな改善点は、アプリケーションを一元的に監視できるダッシュボードが加わったこと。ストレージボリュームの空き容量をはじめ、アプリケーションの稼働状況に関するさまざまな情報を取得して、分かりやすく表示する。アプリケーション間の依存関係もグラフィカル表示する。
シマンテックでは、ApplicationHAを活用して予行演習ができることも、災害対応を有効なものにするための重要な点として強調している。ApplicationHAでは、待機側拠点でデータのスナップショットを取得、これを用いてアプリケーションの復旧プロセスをテストすることができる。予行演習はあくまでも待機側拠点でさらに複製されたデータに対して行われ、再起動したアプリケーションへのアクセス確認も別ネットワークで行える。このため、本番アプリケーションの利用に影響をあたえることはない。予行演習の結果は、詳細なレポートとして出力することができる。
Application HA新バージョンの参考価格は8万2400 円。仮想マシン単位の価格であるため、単一仮想マシン上の複数アプリケーションを監視する場合でも、ライセンス料は変わらない。
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