会社や拠点ごとのアクセス権限分離を実現
HP、マルチテナント環境への対応を強化したNNM新バージョン
2011/06/27
日本ヒューレット・パッカードは6月27日、ネットワーク管理ソフトウェアの最新バージョン「HP Network Node Manager i-series 9.10 software(NNMi 9.10)」を発表した。2010年6月に発表したバージョン9からのマイナーバージョンアップとなる。
NNMiは、かつて「HP OpenView Network Node Manager」の名称で提供されてきたネットワーク管理ソフトウェアだ。ルータやスイッチといったネットワーク機器の稼働状況を監視し、障害が発生した際の原因解析とトラブルシューティングを支援する。最近のバージョンでは、ネットワーク機器の死活監視だけでなく、パフォーマンス監視機能も統合している。
バージョン9.10では、マルチテナント環境における監視を安全に行える「マルチテナンシー」機能を追加した。異なる会社や拠点のネットワーク監視を1台のNNMiサーバに集約すると同時に、アクセス権限を個別に指定し、他者の監視情報まで見えることがないようにしている。
「バージョン8のリリース時に、アーキテクチャを一新して最大2万5000ノードのネットワーク機器を1台で見られる拡張性を実現した。これによって、複数の拠点や部門の監視を1台のサーバに集約できるようになったが、アクセス権限は分離できず、セキュアではなかった」(日本HP HPソフトウェア事業統括 ITマネジメント・ソリューション技術部 梅根庸一氏)。マルチテナンシー機能の搭載により、ハードウェアやOS、ミドルウェアを1つに統合してコストを削減しながら、「A社関連の情報はA社の担当者だけ、B社関連の情報はB社の担当者だけ」という具合に権限を管理できる。
また、ユーザーインターフェイスを改良し、トラブルシューティングに必要な複数の情報を1つの画面にまとめて表示する「アナリシスペイン」を追加した。従来は、トポロジ構成やデバイス情報、MIB情報など、個別の画面からドリルダウン形式で情報を確認する必要があったが、アナリシスペインはこれらの情報を1つに集約。画面操作の手間を省くという。
合わせて、NNMiのオプション製品「iSPI Performance for Metrics/Traffice/QA」も機能を強化した。iSPI Performance for Metrics/Traffice/QAは、NNMi本体による死活監視に加え、リソース利用状況やトラフィックなどの性能を監視できるオプションだ。これまでのバージョンでは、データの保存期間が70日間に限られていたが、バージョン9.10では13カ月分の保存が可能になった。「パフォーマンスを1年前と比べることができるようになった。ネットワークの長期的な傾向を分析し、どのように増強すべきかの計画を立てることができる」(梅根氏)。
価格は、NNMi 9.10が50万4000円から、iSPI Performance for Metrics/Traffice/QAはそれぞれ75万6000円から。7月1日に販売を開始する。
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